変異ウイルス 埼玉県の男女3人感染 すでに感染の男性の関係者

イギリスで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスに、海外に滞在歴がない埼玉県の男女3人が感染していることが新たに確認されました。すでに感染が判明していた都内の男性の職場の関係者で、厚生労働省が感染経路などを調べています。

新たに感染が確認されたのは、いずれも埼玉県に住む20代から30代の男女合わせて3人です。

厚生労働省によりますと3人は今月19日から20日にかけて発症し、埼玉県内の医療機関に入院していました。

国立感染症研究所が検体を調べた結果、イギリスで感染が広がっている変異ウイルスが検出されたということです。

3人はすでに変異ウイルスへの感染が確認されていた、都内に住む40代の男性の職場の関係者で、全員、海外に滞在歴はないということです。

厚生労働省は都内の男性から職場で感染した可能性があるとみて感染経路を調べるとともに、3人の濃厚接触者の合わせて9人について感染の有無を調べています。

変異ウイルスへの感染が確認されたのは合わせて56人となりました。

埼玉県 国と連携し調査

イギリスで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスに埼玉県の男女3人が感染していることが新たに確認されたことを受けて、埼玉県は県内で変異ウイルスが広がっていないか国と連携して検査を進めています。

28日夜、臨時の記者会見をした埼玉県によりますと、変異ウイルスへの感染が新たに確認された3人は全員、症状は軽いということです。

3人の職場は埼玉県内だということで、県は3人の家族や会社の同僚9人を濃厚接触者と特定し、変異ウイルスに感染していないか検査を進めているほか、県内で感染の広がりがないか国と連携して監視体制を強化するとしています。

埼玉県で変異ウイルスへの感染が確認されたのはこれが初めてです。

県保健医療部の唐橋竜一 副部長は「変異ウイルスは感染力が強いと言われているので、一層の緊張感を持って国や関係機関などとの連携を強め、監視体制を強化していきたい」と話していました。

大野知事「これまでと同様の対策に協力を」

埼玉県の大野知事は28日夜、記者団に対し「現段階では、変異ウイルスは不確定なことが多く、臆測で行動することはないが大変危惧している。県民の皆様は心配だと思いますが、現時点では国が感染の封じ込めに取り組み市中で感染が広がっているような対応をしているわけではないので、これまでと同様の感染防止対策に協力をいただきたい」と述べました。