関西 27日人出 前回宣言時より大幅増 病床もひっ迫

緊急事態宣言が出ている大阪、兵庫、京都の主な駅周辺の、27日の人出は先月と比べると減少の傾向が続くものの、去年の緊急事態宣言時と比べると大幅に増加している傾向が続いています。

これは、IT関連企業のAgoopが携帯電話の利用者の許可を得て、個人を特定しない形で集めたデータを使って27日の人出を調べたものです。

12月平日平均との比較

それによりますと、先月の平日の平均との比較では、
日中は、
▽大阪梅田駅周辺が-7%
▽神戸市の三ノ宮駅周辺では、増減はなし
▽京都駅周辺がー22%となりました。

夜間は、
▽大阪梅田駅周辺が-24%
▽神戸市の三ノ宮駅周辺が-18%
▽京都駅周辺が-30%でした。

1週間前 20日との比較

一方、今回の緊急事態宣言が出てからの状況では、1週間前の今月20日と比較して、
日中は、
▽大阪梅田駅周辺が+10%
▽神戸市の三ノ宮駅周辺が+8%で増加し、
▽京都駅周辺が-1%で、減少となりました。

夜間は、
▽大阪梅田駅周辺が+17%
▽神戸市の三ノ宮駅周辺が+34%
▽京都駅周辺は+5%と、それぞれ増加しました。

去年の宣言時との比較

また、去年の緊急事態宣言時の平日の平均と比較すると、大幅に増えています。

日中は、
▽大阪梅田駅周辺がおよそ2.5倍(+146%)
▽神戸市の三ノ宮駅周辺が2.5倍(+150%)
▽京都駅周辺がおよそ2.6倍(+156%)となり

夜間は、
▽大阪梅田駅周辺がおよそ2.7倍(+168%)
▽神戸市の三ノ宮駅周辺がおよそ3.1倍(+205%)
▽京都駅周辺がおよそ2.7倍(+166%)の増加となりました。

関西広域連合「昼夜を問わず外出自粛など徹底を」

関西の2府4県などで作る「関西広域連合」は、来月7日までの期限で大阪、兵庫、京都の3府県に出されている緊急事態宣言の早期の解除につなげるため、昼夜を問わず不要不急の外出自粛の徹底や、若い人への行動の注意などを呼びかけることを決めました。

「関西広域連合」は、大阪、兵庫、京都の3府県に緊急事態宣言が出されてから初めてとなる新型コロナウイルスの対策本部会議を28日に大阪市で開き、宣言から2週間がたった状況を3府県の知事が報告しました。

この中で、大阪府の吉村知事は「少し減少の傾向は見られるが、まだ見極めが難しい状況だ。病床もひっ迫しており、週末から来週にかけての感染状況を踏まえて、兵庫県の井戸知事や京都府の西脇知事と相談して対応を判断したい」と述べました。

そして、会議では緊急事態宣言の早期の解除につなげるため、大阪、兵庫、京都の府県民に対し、
▽昼夜を問わず不要不急の外出自粛の徹底や
▽若い人たちへの行動の注意
▽在宅勤務などを一層推進し、出勤を抑制することを呼びかけることを決めました。

また、感染を抑え込むためには、関西全体で人の流れを減らすことが必要だとして、3府県以外の県民に対しても感染拡大地域との不要不急の往来を控えることなどを呼びかけることも決めました。

会議のあと、関西広域連合の連合長を務める和歌山県の仁坂知事は、記者団に対し「感染を終わらせるために府民、県民の皆さんに、これだけは守ってくれということをお願いしたい」と述べました。

大阪府 6つの指標 (27日時点)

専門家などによる政府の分科会は、感染状況などに関する6つの指標に基づいてステージを4段階に分けて示しています。

大阪府によりますと、27日時点での6つの指標は次のとおりです。

1 病床使用率

病床のひっ迫具合を示す「最大で確保できる病床に占める割合」は74.6%です。

このうち、重症患者用の病床は84.7%です。

2 療養者数

感染が確認されている人のうち、
▽入院している人は1205人
▽府が確保したホテルなどで療養している人は1000人
▽自宅で療養している人は2116人
▽医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は1311人

人口10万人あたりの療養者数は、63.89人となっています。

3 陽性率

検査の陽性率は、27日までの1週間の平均で6.5%です。

4 新規陽性者数

この1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、32.56人でした。

5 直近1週間の新規陽性者と前の週との比較

27日までの1週間の新規感染者は2870人で、前の週の3715人とくらべ0.77倍となっています。

6 感染経路不明者の割合

1週間あたりの感染経路が不明な人の割合は、51.1%となっています。