従業員への賃金 電子マネーでの支払い認めるか議論開始 厚労省

従業員への賃金の支払いを「電子マネー」で行うことを認めるかどうかについて、厚生労働省の審議会で議論が始まり、賃金が保全されるのかなど安全性についての懸念の声が出されました。

政府が従業員への賃金の支払いについて、利便性を高めるために「電子マネー」で行うことを認めるよう制度を見直す方針を示したことを受け、厚生労働省は労使の代表などでつくる審議会で議論を始めました。

労働基準法は賃金は現金で支払うことを原則としていて、従業員の同意があれば銀行などの口座への振り込みは認められています。

しかし「電子マネー」を扱う「資金移動業者」が開設した口座などへの支払いは認められていません。

28日の審議会では、労働組合の委員からは「労働の対価である賃金は全額守られるべきだ」とか「不正に引き出されるケースもあり電子マネーをめぐる、さまざまな不備が明らかになっている」など、安全性について懸念の声が出されました。

厚生労働省によりますと、「電子マネー」による賃金の支払いは、キャッシュレス決済を利用する人などで需要が見込まれるということです。

一方、企業や業者が経営破綻した場合、現在の制度では、
▽「銀行」では、1000万円まで預金は保護され、速やかに払い戻しされますが、
▽「資金移動業者」では、残高の総額が短期間が大きく変わってしまうと、全額保護されないおそれがあり、保護されたとしてもお金が戻るまで半年程度かかるということです。

また、不正に引き出された場合に、どの程度補償されるのか「資金移動業者」では、現時点では業界団体などによる統一的な方針は示されていないということです。

審議会では、さらに課題を整理し議論を進めることにしています。