英アストラゼネカ 日本国内でワクチン生産を近く開始へ

新型コロナウイルスのワクチンを供給する契約を政府と結んでいるイギリスの製薬大手「アストラゼネカ」は、日本国内でワクチンを製造する体制を整え、近く生産を始める方針です。

「アストラゼネカ」は、去年12月に1億2000万回分の新型コロナウイルスのワクチンを国内に供給する契約を政府と結び、このうち、3月までに3000万回分を輸入する見通しです。

会社によりますと日本に速やかにワクチンを供給するため、兵庫県にある医薬品メーカーなどにワクチンの製造を委託し、近く、生産を始める方針です。

アストラゼネカのワクチンは、現在、臨床試験が行われ、厚生労働省の承認が得られれば日本の製造拠点から最大で9000万回分が供給されるとみられます。

ワクチンの供給はヨーロッパなどで予定より遅れていて、会社では、日本国内でワクチンを製造する体制を整えて安定供給に努めたい考えです。

加藤官房長官「生産体制の整備進める」

加藤官房長官は、午前の記者会見で「ワクチンの国内生産体制については、厚生労働省が生産設備の整備の補助などを行っており『アストラゼネカ』も対象事業者として採択されていた。『アストラゼネカ』では、補助金を活用しながら国内で生産を行う準備が進められており、27日、同社から、厚生労働省に対して日本国内で9000万回分以上の生産を目指すという報告がなされた。ワクチンを国内で生産できる体制を確立することは大変重要であり、引き続き、パンデミックに備えた生産体制の整備をしっかりと進めていく」と述べました。