“ふだん会わない人と接触”でコロナ感染拡大 政府の報告会

AI=人工知能などを活用した新型コロナウイルス対策についての政府の報告会が開かれ、ふだん会っていない人と接触することで感染拡大につながるという研究結果や指摘が出されました。

政府は新型コロナウイルス対策の有効性などについて、膨大なデータに基づいてAIなどを活用して分析を行う研究事業を進めていて、参加している研究機関による報告会が25日、オンラインで開かれました。

この中で東京大学の大澤幸生教授は、会う人を同居している家族など、ふだん行動を共にすることが多い人だけに限定すれば感染拡大を抑えられるとする解析結果を示し、制限を一気に緩和すると急激に感染が拡大することが分かったとして、感染が減少した場合でも段階的に制限を緩和することが重要だと指摘しました。

また、産業技術総合研究所の研究者もふだんの行動範囲を超えた移動によって感染が急拡大するというシミュレーションを示し、「久々に会う」といった行動を自粛することが必要だと指摘しました。

続いて行われたパネルディスカッションでも政府の分科会メンバーで東北大学の押谷仁教授が「年末年始の感染者の急増は、長距離の帰省は比較的自粛された一方で、近い距離の帰省でふだん会っていない両親や親戚と接触したことが要因の1つだと考えられる。シミュレーションと実際のデータをもとに、さらに検証することが必要だ」と話していました。