ワクチン接種 開始から9週間以内にすべての高齢者に1回目を

2回の接種が必要な新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、接種開始から9週間以内にすべての高齢者が1回目の接種を受けられる体制を整備するよう自治体に指示しました。

ファイザーなどが開発したワクチンについて、厚生労働省は承認されればできるかぎり来月下旬から医療従事者を先行して順次、接種を始めたいとしています。

25日は、自治体向けの説明会が非公開で開かれ、厚生労働省は3月下旬をめどに高齢者およそ3600万人に接種できる体制を確保するなどといった想定のスケジュールを改めて示しました。

ファイザーのワクチンは3週間の間隔を空けて2回の接種が必要となる見込みで、厚生労働省は接種を開始して9週間以内にすべての高齢者が1回目の接種を受けられる体制を整備するよう求めています。

全員が1回目の接種を終える前に、2回目の接種が始まることを想定し、人口10万人で高齢化率が27%の自治体の場合は1週間当たり6000回の接種が必要になるということです。

また接種を受けてもらう場所は、原則、住民票を登録している市町村としていますが、路上生活をしている人や、家庭内暴力の被害を受けて住民票を移していない人などは申請をすれば居住地の市町村で接種を受けられるということです。

一方、自治体からは、接種を行う医師や看護師などの人手や接種会場を確保するのが難しいといった声が出ていて、速やかに接種を進めるには国のきめこまかな支援が欠かせなくなっています。

想定のスケジュールは

厚生労働省は25日、ワクチンの接種体制の整備について改めて想定のスケジュールを示しました。

それによりますと、ワクチンが承認されれば
▽できるかぎり来月下旬から1万人から2万人程度の医療従事者に先行して接種を始めたいとしています。

続いて
▽3月中旬をめどに医療従事者およそ370万人に、
▽3月下旬をめどに65歳以上の高齢者およそ3600万人に接種できる体制を確保し、
▽その後、基礎疾患のある人などを優先しながら順次、接種を進めるとしています。

参加した自治体は

北海道白糠町では役場内の会議室で担当者が参加しました。

その中では、3月下旬をめどに高齢者およそ3600万人に接種できる体制を確保するなどといった想定のスケジュールが改めて示されました。

一方、各地の自治体では接種を行う人手や会場の確保などが課題となっていて、人口およそ7500人で町内に公立の医療機関のない白糠町でも課題をどう克服するのか検討が進められてきました。

町によりますと、町内に3人いる内科医と協力し社会福祉センターなどを接種会場として利用することで町単独で接種を行う体制を整えられそうだということです。

白糠町介護健康課の二色郁子課長は「スケジュールがはっきり見えてきた。3月中に高齢者向けの準備が整うよう国と連携しながら取り組んでいきたい」と話していました。