大津いじめ自殺 同級生2人に約400万円の賠償命令確定 最高裁

10年前、大津市で自殺した中学2年の男子生徒の両親が当時の同級生らを訴えた裁判で、最高裁判所は両親の上告を退ける決定をし、「いじめが原因で自殺した」と認めて同級生2人の賠償額をおよそ400万円とした判決が確定しました。

平成23年に大津市で自殺した中学2年の男子生徒の両親は、いじめが自殺の原因だったとして当時の同級生や保護者らに賠償を求めました。

1審の大津地方裁判所は、自殺したのは暴力などによるいじめが原因だったと認め、同級生2人に合わせて3700万円余りの賠償を命じました。

2審の大阪高等裁判所も生徒の自殺の原因はいじめだったと認めた上で、「両親が生徒を精神的に支えられなかったことも考慮すべきだ」として、同級生2人の賠償額をおよそ400万円としました。

賠償額を減らされた両親が上告していましたが、最高裁判所第1小法廷の小池裕裁判長は、25日までに退ける決定をし、2審の判決が確定しました。

この裁判では当初、大津市も訴えられていましたが、6年前、市が責任を認めて謝罪し、和解しました。

男子生徒の父親「判決がいじめ問題解決につながることを」

自殺した男子生徒の父親は、2審の判決が最高裁判所で確定したことを受けて会見を開き、改めて自殺防止への思いを訴えました。

会見で父親は「いじめは相手を自殺に追い込む危険な行為だと司法が判断したが、息子が亡くなった9年3か月前は、そうは考えられていなかった。事件は司法判断の流れを変え、被害者の救済に大きくかじを切るきっかけになったと思う。判決がいじめ問題の解決につながっていくことを祈ります」と話しました。

そして「今回の裁判は、息子がやり抜いたものだと思っています。短い人生ではありましたが、大きな問題を社会に知らしめる大仕事をよくやったねと言ってあげたい」と涙をにじませながら話していました。

原告側 弁護士「極めて先駆的な国内初の判例に」

今回、確定した去年2月の2審の判決では、いじめを受けた被害者が自殺することは一般的にあり得ることで、損害は通常生じるものだと認定しています。

これについて原告側の石田達也弁護士は「いじめで自殺することは特異的で、損害は通常生じるものとはいえないというのが、これまでの判例だった。今回、高裁と最高裁が通常の損害だと認めたことで今後立証のハードルが下がることになり、極めて先駆的な国内初の判例になった」と評価しています。