ダニエル太郎 全豪オープン前に屋外練習できない心境語る

テニスの全豪オープンに出場するためオーストラリアに入国したにもかかわらず、同じ飛行機に乗っていた人が新型コロナウイルスの検査で陽性だったため、外での練習が許可されない状態が続いているダニエル太郎選手がNHKのインタビューに応じ「毎日できることだけをやり続ける」と心境を語りました。

ダニエル選手は来月8日に開幕する全豪オープンを前に今月16日、大会が用意した飛行機でドーハからオーストラリアに到着しましたが、この飛行機に乗っていた乗客の1人が新型コロナウイルスの検査で陽性だったとして2週間の自主的な隔離期間とともに外での練習が許可されない状態が続いています。

ダニエル選手は24日、リモートでNHKのインタビューに応じ「多くの人が経験している苦労に比べれば自分たちの苦労はささいななことだ」としたうえで「毎日できることだけをやり続ける」と心境を語りました。

みずからと同様に全豪オープンに出場する予定の錦織圭選手など70人余りの選手が外での練習ができない一方で、それ以外の選手は2週間の隔離期間中も外で5時間の練習が許可されていることについては「もちろん不公平だと思うが、オーストラリアの人たちに全豪オープンはポジティブなものだという印象を持っていてほしい。そのために、ウイルスをばらまきたくない。やりすぎという考えもあるかもしれないけれど、しかたないことだと思う」と理解を示しました。

その一方で、大会前に調整などが難しい状況に置かれている今回の経験を踏まえて、半年後の東京オリンピックで選手に対してどのような対応が必要か尋ねると「隔離や濃厚接触者に対する対応など、ルールをはっきりしてほしい。今回の全豪オープンはしかたないと受け止められるがオリンピックという4年に1回のイベントに向けて頑張っているアスリートがかわいそうだと感じる」と答えました。

現在、ダニエル選手は滞在しているホテルの部屋で日本にいるトレーナーからリモートで指導を受けながら1日2時間程度体を動かしているということです。

特に、隔離期間を終えてすぐに真夏のオーストラリアで試合が行われることから自転車をこぐトレーニング器具をシャワールームのそばに持ち込み、高温のシャワーを出して少しでも体を暑さに慣らすようにしているということです。

ダニエル選手は「失うものは全くないという気持ちで試合に向かっていきたい」と話していました。