大相撲初場所 大栄翔が初優勝 埼玉県出身力士の優勝は初めて

大相撲の平幕、大栄翔が初場所千秋楽の24日、13勝2敗で初優勝を果たしました。埼玉県出身の力士が優勝するのは初めてです。

横綱不在となった初場所の優勝争いは、23日の14日目を終えて2敗で単独トップに立つ前頭筆頭の大栄翔と星の差1つで追う大関 正代の2人に絞られていました。

千秋楽の24日、大栄翔は平幕の隠岐の海と対戦し突き出しで勝って13勝2敗で初めての優勝を果たしました。

追手風部屋の大栄翔は埼玉県朝霞市出身の27歳。去年の秋場所に自己最高位の関脇に昇進しましたが負け越し、今場所は前頭筆頭で臨みました。

前半戦に上位との取組が組まれた大栄翔は7日目までに今場所の7人の三役全員を破って中日に勝ち越したあとも持ち味の突き押しに威力のある相撲で白星を重ね、初めての優勝を果たしました。

初土俵から9年、埼玉県出身力士としても初めての優勝です。

緊急事態宣言下で開かれた今場所は、新型コロナウイルスの感染などで十両以上の関取の休場が戦後最多の19人となりましたが、出場している力士などの場所中の感染者は確認されずに終わりました。

大栄翔「賜杯の重さにびっくり」

初優勝を果たした大栄翔は、土俵下で行われた優勝インタビューで「本当にうれしさしかないのでよかった。賜杯があんなに重いと思っておらずびっくりした」と率直な感想を語りました。

優勝を決めた一番については「自分の相撲を取りきるしかないと思って、悔いのないように迷いなくいけた」と振り返りました。

役力士全員を破るなどした今場所を振り返り「自信になる相撲がたくさんあったので、これからもこうした相撲をたくさん取っていきたい」と話しました。

今後に向けては「自分のいい相撲を毎日取れるようにこれからも頑張っていきたい」と決意を示していました。

初土俵から9年での初優勝去年は右ひじ手術も

初優勝を果たした大栄翔は埼玉県朝霞市出身の27歳。身長1メートル82センチ、体重およそ160キロで鋭い立ち合いからの強烈な突き押しが持ち味です。

多くの関取を輩出した相撲の強豪、埼玉栄高校から追手風部屋に入門し、平成24年の初場所で初土俵を踏み、序ノ口や三段目で優勝しました。

持ち味をいかした相撲で番付を上げ、平成27年の秋場所で新入幕を果たしました。

その後、十両も経験しましたが平成29年春場所以降は幕内に定着し去年の初場所で新三役の小結に昇進しその年の秋場所には自己最高位の関脇まで番付を上げました。

しかし、右ひじの痛みが影響して5勝10敗と負け越し秋場所後に右ひじの手術をしました。

ひじの状態が回復したという今場所は前頭筆頭で臨み、三大関のほか関脇・小結を次々に破って今場所の7人の役力士全員から白星を挙げるなど初日から8連勝し中日に勝ち越しを決めました。

後半戦に入ってからは突き押しで圧倒する盤石の相撲や物言いがつく際どい相撲も制し白星を重ねました。

初土俵から9年、埼玉県出身力士としても初めての優勝を果たしました。

師匠の追手風親方「まぐれと言われないようしっかりと結果を」

大栄翔の師匠の追手風親方は「部屋で初めての優勝で素直にうれしい。自分の夢が1つかないました」と弟子の優勝を喜びました。

日本相撲協会の仕事のため、大栄翔の24日の取組を見ていなかったということで「見たら負ける気がした。花道でおめでとうと声をかけた」と笑いました。

今場所の相撲については「中日までは最高の相撲だった。それ以降は引く相撲もあったが欲を出さず、一日、一日楽しく行けと声をかけていた」と評価しました。

そして来場所以降に向けては「まぐれと言われないようにしっかり結果を出さなければいけない」と話していました。

八角理事長「大栄翔 自分より突き放し強い気がする」

元横綱・北勝海で日本相撲協会の八角理事長は、初優勝した大栄翔について「勢いと躍動感があり、キレがよかった。後半、ちょっとぎこちない時期があったけれどきのうから開き直っていた。内容もよく、立ち合いのいい感覚が続いていた」と突き押しを貫いた相撲内容を高く評価しました。

大栄翔は、八角理事長の現役時代の押し相撲を参考にしていると話していましたが八角理事長は「自分より突き放しが強い気がする」とした上で「毎場所、この勢いの相撲、同じ立ち合いを続けるのは難しい。まずは今場所の集中力を磨くことだ。体力的にも精神的にも強くなるために稽古するしかない」とさらなる精進を期待しました。

緊急事態宣言下で15日間の本場所を終えたことについては「お客さんに本当に協力してもらったからこそ15日間を終えられて本当に感謝している。力士も厳しい条件の中でよく頑張ったし、行司や呼出、親方たちもよく頑張った。大相撲だけでなく世の中全体が厳しい中なのでみんなで一致団結してやっていかないといけない」と話していました。

伊勢ヶ濱審判部長「負けた相撲以外は前に出るいい相撲」

日本相撲協会の伊勢ヶ濱審判部長は「きょうもいい相撲だった。負けた相撲以外は自分の流れで前に出るいい相撲を最後まで取っていた」と高く評価していました。

母親「親孝行な息子 よく頑張った」

大栄翔の母親の高西恵美子さんは、地元の埼玉県朝霞市で千秋楽の取組を緊張した面持ちで見守り、優勝を決めた瞬間は涙ぐみながら喜んでいました。

高西さんは「親孝行な息子です。今までも努力は惜しまず、いずれは優勝してくれるんじゃないかと思ってましたけど、こんなに早く優勝できるなんて夢のようです。おめでとう、よく頑張ったねと伝えてあげたい。まだ上の番付があるのでそれを目指して一歩ずつ進んでくれればいいと思います」と話していました。