東京五輪 開幕まであと半年 緊急事態宣言の中 異例の準備

23日で東京オリンピックの開幕まであと半年となりました。開催都市に感染症の緊急事態宣言が出される中、大会はコロナを踏まえた異例の準備となっています。

大会をめぐっては、代表に内定している選手たちから開催を信じて練習を続けるとの決意が聞かれる一方、国内外から現在の感染状況を踏まえてことしの夏の開催を懸念する声も出てきています。

大会の開催には、代表選手を選ぶ大会を世界各地でできるのかが重要で、まずは3月に都内で予定されているアーティスティックスイミングのオリンピック予選ができるかが注目されています。

また安全で安心な大会に向け、競技会場で活動する医療従事者の確保などが大きな課題で、コロナでひっ迫する医療機関との調整は難航しています。

一方、観客については、人数の上限と海外からの受け入れが春までに決まりますが、無観客を含めて感染状況に応じたあらゆる選択肢が想定されています。

なかでも海外からの観客の受け入れは、政府が水際対策を強化する中で大会関係者から「海外からの受け入れは難しいのではないか」という声も上がっています。

大会はコロナを踏まえ異例の準備となっていて、大会組織委員会やIOC=国際オリンピック委員会などは、選手や関係者が安心して参加でき、国民の理解を得られる大会にできるのかが問われています。

開催まで半年のスケジュール

あと半年に迫った東京オリンピックの開幕までのスケジュールです。

まず3月から5月にかけて行われるのが、運営の手順や課題を確認するテスト大会です。

3月4日から都内で始まるアーティスティックスイミングの大会をはじめ、パラリンピックの競技を含めて18の大会が予定されていて、アスリートの検査体制や観客の感染予防策、それに海外選手の出入国の管理など、これまでに検討された感染症対策を実際に確認する重要な場となります。

そして3月25日からは聖火リレーがはじまります。

東日本大震災の被災地の福島県をスタートし、およそ1万人のランナーが121日間をかけて全国すべての都道府県、あわせて859の市区町村を回る計画です。

聖火リレーは、大会への機運を高める重要なイベントと位置づけられ、感染対策を十分にとりながらの運営となります。

また春までには観客数の上限が決まり、これを踏まえて大会組織委員会からチケットの扱いが示される見通しです。

あわせて海外からの観客の受け入れをどうするのかも判断される見込みです。

その後、4月から6月にかけて本格的に各競技で代表の選考が行われ、7月5日には選手の参加の申し込みが締め切られます。

そして7月21日から先行してサッカーとソフトボールで競技が始まり、7月23日に国立競技場で開会式を迎えます。

武藤事務総長「開催前提 徹底的にコロナ対策」

大会組織委員会の武藤事務総長は半年後の大会に向けて、21日、記者団の取材に対し、「われわれは大会の開催を前提に、どうしたらできるかを考え、徹底的にコロナ対策を講じていく。感染の状況が改善する可能性は十分ある。そうなれば大会をやることへの理解も深まる可能性もある」と感染対策を講じたうえでの開催に意欲を示しました。

大会のさらなる延期については「絶対かどうかは言い切れないかもしれないが、非常に難しい。現実的ではないだろう」と否定的な考えを示しました。