新型コロナ 武漢封鎖から1年 発生源調査 来週にも本格化

新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した中国の武漢で、2か月半にわたる都市の封鎖が始まってから23日で1年となります。

現地入りしているWHO=世界保健機関の国際的な調査チームは、来週にも発生源の解明に向けた本格的な調査を始めるものとみられ、中国側が関連データの提供などにどこまで応じるかが焦点です。

中国政府は、湖北省の武漢で新型コロナウイルスの感染が拡大したことを受けて、去年1月23日、駅や空港を閉鎖するなど都市の封鎖措置を取り、市民の移動を厳しく制限しました。

武漢では一時、医療崩壊の状態に陥り、地元当局は3869人が死亡したとしています。

76日間に及ぶ封鎖措置の末、地元当局は、去年5月以降、海外からの入国者を除いて新たな感染者は確認されていないとしています。

発生源の解明に向けて1月14日に武漢に入ったWHOの国際的な調査チームは、入国後の隔離措置のため、現在、市内のホテルで待機していますが、2週間の隔離期間が終わる来週後半以降、本格的な調査を始めるものとみられています。

一方で、中国政府は、発生源は武漢とは限らないという主張を繰り返しているほか、政府の専門家は海外からウイルスが持ち込まれた可能性も否定できないとしています。

発生源やヒトへの感染ルートの解明に向けては、中国側が保管しているとされる患者の検体の分析や、病院関係者などへの聞き取り調査が必要になるとみられますが、中国側が関連データの提供など調査チームの求めにどこまで応じるかが焦点です。

北京で変異ウイルス確認 警戒強まる

中国国内では新型コロナウイルスの感染が再び拡大する兆しを見せていて、首都・北京でも1月20日にイギリスで見つかっている変異ウイルスの感染者が初めて確認されるなど警戒が強まっています。

22日からは共産党の指導部が執務を行う北京中心部の「中南海」がある西城区と、隣接する東城区ですべての住民らを対象に大規模なPCR検査が始まり、各地で検査を受ける人たちの長蛇の列ができていました。

また、北京では、1月に入ってから感染が広がっている隣の河北省からの感染者の流入に警戒を強めていて、境界線にある川の護岸には人が行き来できないよう高さ2メートル近くあるフェンスが新たに設置されていました。

フェンスには「感染症予防のため川を渡ることを禁止する」と書かれた横断幕が張り出されていたほか、そばには周囲を監視するための小屋も設置されていました。