飲食店の9割 年末年始に自主休業 その後に感染収束 大分 別府

先月、新型コロナウイルスの感染者が相次いだ大分県別府市では、市内にあるスナックやバーなどのおよそ9割で年末年始に2週間以上、自主的に休業していたことが分かりました。その後、繁華街での感染拡大は収束し、市は「同業者の組合が休業を呼びかけるなど街を挙げた対策が実を結んだ」としています。

別府市最大の繁華街・北浜地区では先月、接待を伴う飲食店で感染者の集団=クラスターが発生するなど、店の従業員や客などの感染が相次ぎました。

このため地元のスナックやバーが加盟する組合を中心に自主的な休業を呼びかけたほか、市でも年末年始に2週間以上休業した店舗に対し、一律28万円の支援金を交付する制度を設けました。

その結果、別府市内のスナックやバーなど300ほどの飲食店のうち、およそ9割にあたる258店が休業をしたうえで、支援金を申請したことが市への取材で分かりました。

その後、繁華街では感染拡大は収束し、休業した店舗の多くはマスクの着用や消毒などの徹底のほか、従業員全員がPCR検査で陰性であることを確認したうえで今月上旬から営業を再開したということです。

別府市は「経営が厳しいなか、同業者の組合が休業を呼びかけるなど街を挙げた対策が実を結んだ」としています。

組合理事長「早期営業再開は一致団結の結果」

別府市北浜地区の店舗が加盟する組合の理事長を務め、みずからもラウンジを経営している赤嶺リサさんは、街で感染が拡大した際に同業の飲食店に自主的な休業を呼びかけました。

赤嶺さんは「かき入れ時の12月に休業することに葛藤があり、本当に断腸の思いだった」と厳しい決断に迫られた当時を振り返りました。

そして、およそ9割の店舗が自主休業したことについて「不安があるなかで、一致団結して店を閉めて、一気に感染拡大を沈静化させようと経営者の皆さんが動いてくれた結果だと思う」と話していました。

また、繁華街の感染対策が全国でも課題となっていることについては「大きい街ほど考え方も違うし、判断は難しいと思う。ただ一つ言えることはみんなが意思を同じくして取り組んだ結果、別府では早い段階で営業を再開することができた」と話していました。

赤嶺さんのラウンジでは客に簡易ウイルス検査を行い、陰性を確認してから入店してもらうなど感染対策を徹底していて「客に安心してもらうためにできることはすべてやっていきたい」と話していました。

専門家「ボトムアップ型の理想」

地域経済に詳しい大分大学経済学部の石井まこと教授は「9割というのは地域が一体となった姿勢の表れ。自分たちで危機感を共有し、どういう形で今後も店を継続させるか行政に働きかけたもので、ボトムアップ型の理想だ」と指摘しました。

そのうえで、自主休業した店舗の支援の在り方について「一時的にお金をもらっても将来的に業績が回復しなければ意味がない。持続的な経営をするための支援策が求められる」として、行政の柔軟な支援策の必要性を強調しました。