家庭内感染 濃厚接触者の95%余 10日以内に発症

新型コロナウイルスの家庭内感染のケースについて東京の保健所などが分析したところ、濃厚接触した人の95%余りは最初の感染者が発症してから10日以内に発症していたことが分かりました。ほとんどのケースで発症は10日以内のため、現在、濃厚接触者に求めている14日間の行動制限を10日間に短縮することが可能だとしています。

東京・港区のみなと保健所や千葉大学などのグループは、去年4月から11月までの8か月間に症状が出た感染者1606人のうち、同じ住所で続けて発症した人のデータを分析しました。

その結果、117人が発症したあとで同じ住所の140人が発症していて、このうち7日以内に89.2%にあたる125人、10日以内に95.7%にあたる134人が発症していました。

そして、14日以内には1人を除いたすべての人が発症していました。

現在、感染者に濃厚接触した人は接触から14日間、自宅での待機など行動制限が求められる一方、患者本人は発症から最短10日間で感染力がほぼなくなるとして制限が解除されています。

アメリカのCDC=疾病対策センターは濃厚接触者の隔離期間を長い場合でも10日間としていて、研究グループはほとんどのケースで濃厚接触者の発症は10日以内のため、行動制限の期間は10日間に短縮できるとしています。

みなと保健所の松本加代所長は「感染拡大のなか、多くの濃厚接触者に長期間の自宅待機が求められるのは社会への影響も大きく、追跡調査を行う保健所の負担も大きい。自宅待機の期間の短縮を国は検討すべきだ」と話しています。