旭川「慶友会吉田病院」 大規模クラスター発生の経過 報告書に

新型コロナウイルスの大規模なクラスターが発生した北海道旭川市の「慶友会吉田病院」は、去年11月の初めての感染確認から院内全体に感染が広がった経過などを報告書にまとめました。

大規模なクラスターが発生した旭川市の「慶友会吉田病院」は、2週間にわたって新たな感染者が出なかったとして、今月18日から外来診療などを再開していて、20日、これまでの経過をまとめた報告書をホームページに掲載しました。

それによりますと吉田病院では去年11月6日以降、入院患者136人と看護師などの職員77人の合わせて213人の感染が確認され、このうち患者38人が死亡したということです。

また7階建ての建物の6階で初めての感染者が出たあと、同じ階の患者や職員の間で広まり、その後、20日余りで院内全体に拡大したとしています。

原因ついては介助が必要な患者が多く、身体の接触が避けられなかったことや、職員の感染で人手が不足したため、異なる階を同じ職員が担当せざるを得なかったことなどをあげています。

慶友会の吉田良子理事長は報告書の中で「今回の教訓を糧に一層の研さんを重ね、地域に根ざした健康支援活動にまい進していきます」としています。

旭川市保健所の浅利豪新型コロナウイルス感染症対策担当部長は報告書について「クラスター発生時からの経過を総括した貴重な資料だ。市としても病院の感染拡大の要因について分析を進めており、今後のクラスター対策などにもこの報告書を生かしていきたい」と話しています。