国宝の香炉の制作技法が判明 野々村仁清の卓越した技術示す

石川県立美術館所蔵の国宝、「色絵雉香炉」が帯状の粘土を重ね合わせてきじの首の部分を形成するなど、独特の技法で作られていたとみられることが美術館の調査でわかりました。江戸時代初期の陶工、野々村仁清の卓越した技術を改めて示すものとして専門家の注目を集めています。

石川県立美術館所蔵の「色絵雉香炉」は江戸時代初期の陶工、野々村仁清作のきじをかたどった香炉で、国宝に指定されています。

あざやかな色絵で表現された羽根や、まっすぐ伸びた尾などが特徴ですが、きじの形をどのように形成したのかこれまで詳しいことはわかっていませんでした。

今回、美術館が香炉の構造を詳細に調べたところ首の内側の部分につなぎ目のようなものが見つかり、帯状の粘土をいくつも重ね合わせて首の部分を形成したとみられることがわかりました。
また「尾」の部分の内側には粘土を削り取ったような痕跡が見つかりました。

香炉は、はじめに「頭や首」、「胴体」、「尾」の3つの部分に分けて制作され、粘土が完全に乾く前につなぎ合わせたうえで接合部分を削り取ったとみられるということです。
調査を担当した石川県立美術館の学芸員、村瀬博春さんは「あえて難しい技法に挑んだところに作者・野々村仁清の強い意気込みを感じる。首をかしげたようなきじの独特な姿の表現につながっている」と話しています。