新型コロナ 自宅療養者への支援の取り組みは 大阪 堺

新型コロナの感染の急拡大で自宅で療養する人が増える中、大阪 堺市では自宅で療養している人たちが外出しなくて済むよう2週間分の食料品に加え、トイレットペーパーなどの日用品も併せて配っています。

堺市では、去年5月から自宅療養者や自宅での待機が求められる濃厚接触者を対象に、食料品や日用品の配付を続けていて、委託先の事業所では職員たちが、レトルトカレーや缶詰といった2週間分の食料のほか、トイレットペーパーやせっけん、ゴミ袋といった日用品を段ボール箱に詰める作業を行っています。

感染の拡大で、自宅療養者も増加していることから、配付した件数は11月末までの7か月間で1300件余りでしたが、先月は1か月間で830件、今月はすでに847件と急増しているということです。

大阪いずみ市民生活協同組合の古賀慎也さんは「今後も申し込みが増えて忙しくなると思いますが、自宅で療養する人が少しでも安心してゆっくり過ごすことができるように、丁寧に作業することを心がけています」と話していました。

自宅療養者への支援は

大阪・寝屋川市では配食業者に委託し、自宅で待機を求められる濃厚接触者などに対して1日2回、弁当を届けています。

このうち、市内の事業所では接触を避けるため、時間や、弁当を置く場所は事前に調整してから配達し、容器も使い捨てのものを使っています。

市内では自宅待機をする人が増加し、先月はじめに1日50人ほどだった配達先は3倍に増えました。

自宅で待機するはずの濃厚接触者が出歩いて、感染を広げるてしまうケースも懸念されていることから、この業者では弁当を配る際、自宅待機者に対し外出しないよう呼びかけています。

配食サービスの事業所を経営する杉原充さんは「市中感染の広がりを抑えるためにも、弁当宅配時にできるかぎり在宅の呼びかけを行っていきたい」と話していました。

一方、事業を委託する寝屋川市新型コロナウイルス感染症対策室の長船章浩課長は感染拡大が続けば、自宅待機者もさらに増え続けることが懸念されるとしたうえで「配食のキャパシティーを日々心配しながら続けている。終わりが見えない中だが、複数の事業者と協力して対応していきたい」と話していました。

大阪の自宅療養者の推移

厚生労働省は、4月末から1週間ごとの都道府県別の自宅療養者数を公開しています。

それによりますと、大阪府内の自宅療養者数は、去年の4月28日は332人で、徐々に減少し、6月17日には0人となりました。

その後、7月末から増加傾向に転じ、8月26日には617人となりますが、10月中旬にかけて50人ほどにまで減少しました。

しかし、感染拡大を受けて11月中旬から再び急増し、11月25日には初めて1000人を突破して1249人となりました。

その後も増加を続け、今月13日の時点では初めて2000人を超え、2276人となっています。

濃厚接触者への支援も

大阪府によりますと、新型コロナウイルスに感染した人のうち、軽症や無症状の人は、原則、宿泊施設で療養し子育てや介護といったやむを得ない事情がある人は、自宅で療養することになっています。

大阪府では、自宅療養者が外出しなくてもすむよう、去年11月の初旬から国の補助を使って1日3食を無料で提供する取り組みを始めました。

一部の自治体ではこれに先駆けて食事の支援を始めているほか、濃厚接触者に認定されて外出できない人に対しても、同様の支援をしています。