“感染者ゼロ”なのにワクチン緊急使用承認 トルクメニスタン

新型コロナウイルスの感染者はいないと主張している中央アジアのトルクメニスタンは、ロシア製ワクチンの緊急使用を承認し、感染対策に神経をとがらせているとみられます。

トルクメニスタン外務省は18日、新型コロナウイルスのロシア製ワクチン「スプートニクV」について正式に登録したと発表し、ワクチン開発に携わったロシアの政府系ファンドも中央アジアではじめて緊急使用が承認されたと明らかにしました。

トルクメニスタンでは、ベルドイムハメドフ大統領による独裁的な政治体制のもとで情報が厳しく統制されていて、トルクメニスタン政府はウイルスの感染者はいないと主張しています。

ただ、現地のアメリカ大使館は去年11月、「コロナウイルスに感染したのと同様の症状がある市民が検査を受け、病院に隔離されている」として現地に住むアメリカ人に注意を呼びかけたほか、ヨーロッパのメディアも感染が広がっている可能性があると指摘しています。

また、現地の関係者によりますと、首都アシガバートではレストランなどの営業が制限され、公共の場所では、マスクの着用が求められているということで、トルクメニスタン政府は感染対策に神経をとがらせているとみられます。