変異ウイルス 20代女性は静岡県内で感染した可能性高い

イギリスで広がる変異した新型コロナウイルスに感染した静岡県の男女3人のうち、最初に症状が出た20代の女性は県内で感染した可能性が高いことがわかり、静岡県は変異ウイルスの感染がすでに広がっていてもおかしくないとして対策の徹底を呼びかけています。

静岡県では18日、20代の女性とその濃厚接触者の40代の女性、それに60代の男性の3人が変異ウイルスに感染したことが確認され、さらに19日、男性の濃厚接触者もPCR検査で陽性と判定されました。

静岡県によりますと、今月上旬に最初に症状が出た20代の女性は、感染した可能性のある先月中旬以降県外に出ておらず、静岡県内で感染した可能性が高いということです。

県は変異ウイルスの感染がすでに広がっていてもおかしくないとして今後、県内全域の検体を国立感染症研究所に送り、感染の広がりについても調査が進められる予定です。

また、19日、独自の「感染拡大緊急警報」を出し、県境を越えた移動や不要不急の外出を控え、家族以外の人との会食を行わないなど対策の徹底を呼びかけています。

加藤官房長官「他の地域も監視体制を強化」

加藤官房長官は午前の記者会見で「静岡県に直近の検体を提出するよう協力を要請し優先的に解析を行っている。また、他の地域についてもゲノム解析能力のキャパシティーや静岡県の解析結果も踏まえつつ監視体制を強化する方向で、すでに国立感染症研究所で検討がなされている」と述べました。

そして、国立感染症研究所で変異したウイルスを迅速に検出するPCR検査の研究開発を行っており、静岡県でも実施できるよう技術支援を進めるとしたうえで、今後、全国の地方衛生研究所などで実施できるよう民間の検査機関とも連携する考えを示しました。