“コロナ感染拡大初期段階で中国の対応に遅れ” WHO独立委

新型コロナウイルスについてWHO=世界保健機関や各国の対応を検証している独立委員会が中間報告を公表し、感染拡大の初期段階で中国の対応に遅れがあったなどと指摘しました。

去年7月に設置された独立委員会は、今後の感染症対策への教訓を得ようと新型コロナウイルスが世界的な大流行に至った経緯のほか、WHOや各国の対応を検証しています。

18日に公表された中間報告によりますと、おととし12月の時点で中国・湖北省の武漢で確認された原因不明の肺炎は新型のウイルスによるものだと予測できただけの証拠があるとしています。

そのうえで「明白なのは、中国の保健当局は去年1月の時点でより強力な公衆衛生上の措置を取れたはずだということだ」として、感染拡大の初期段階で中国の対応に遅れがあったと指摘しています。
またWHOについては、中国国外にも感染が拡大する中「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言が去年1月30日まで出されなかったことを疑問視し、宣言のあともほとんどの国で必要な措置が取られなかったとして、各国に警告する仕組みをつくり直す必要があると指摘しています。

独立委員会は19日に開かれるWHOの執行理事会で中間報告を示したあと、5月のWHO年次総会に最終報告を提出する予定です。

加藤官房長官「WHO総会への最終報告書提出を期待」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「中間報告で、中国に関して『対応の初動において基本的な公共保健措置を実施する機会が失われている』などと指摘されていると承知している。発生起源や人への伝ぱ経路の調査のために、WHOの国際調査団がすべての必要な情報にアクセスし、科学的、客観的で透明性のある調査を現地で行っていくことが重要だ。今後、現地調査の結果、科学的な知見が得られ、5月に予定しているWHO総会に最終的な報告書が提出されることを期待したい」と述べました。