緊急事態宣言 食品の卸会社にも影響拡大 大量廃棄の事態も

緊急事態宣言の影響は、時短営業を行う飲食店だけでなく、食材などを卸す取り引き先の企業にも広がり、売り上げの減少に加えて、食品を大量に廃棄せざるをえない事態にも直面しています。

このうち、外食向けの食品の卸会社は、飲食店の営業時間の短縮や企業で在宅勤務が広がっている影響で、居酒屋や社員食堂などからの注文が大幅に減少しました。

この会社の埼玉県戸田市にある物流センターでは、注文の減少を受けて食品を配送するトラックを小型のものに変えましたが、配送する商品が少ないため人件費や燃料代が負担となっています。

一方で、緊急事態宣言を受けて賞味期限が切れた食品の在庫が急増し、倉庫の一角には、近く廃棄する予定の冷凍のカニやカット野菜などが山積みになっていました。

この会社では、賞味期限が切れる前に支援団体などに食品を寄付することもありますが、大部分は廃棄せざるをえないのが実情で、廃棄のための費用もかさみます。

久世真也社長は「顧客である店舗で食材を欠品させないようにするため在庫に余裕をもたせてきたが、緊急事態宣言で需給のバランスが変化し、在庫を多く抱える形になった。廃棄を減らすために、取引先に新たなメニューを提案するなど努力をしているが、とても追いつかない」と話していました。