初の大学入学共通テスト 初日ほぼ終了

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も出される中、大学入試センター試験に代わって16日から始まった「大学入学共通テスト」は、ほとんどの会場で1日目の日程を終了しました。一方、北海道 稚内市の会場では暴風雪の影響で16日の試験がすべて中止され、73人の再試験が決まったほか、複数の会場で開始時間が繰り下げられました。

ことしから初めて実施されている大学入学共通テストの本試験は、感染拡大の影響で2回の日程で行われ、16日と17日の2日間は全国681の会場で53万4527人が、今月30日と31日の2日間は718人が出願しています。

東京 文京区の東京大学の試験会場では、受験生の席の間隔を空けたり換気が行われたりと感染対策が取られる中、午前9時半から地理歴史、公民が始まり、午後は国語、外国語、それに英語のリスニングが6時10分まで行われ、ほとんどの会場で1日目の日程を終了しました。

一方で、共通テストを実施する大学入試センターによりますと、北海道稚内市の「稚内北星学園大学」の会場で、暴風雪の影響で16日の試験がすべて中止され、受験を予定していた73人全員の再試験が決まりました。1日すべての試験が再試験となるのは、センター試験やその前の共通一次試験を含めて初めてだということです。

このほか、午後8時までのまとめでは、監督者の確認ミスや列車の遅延などといった理由で、3会場で合わせて5人の受験生の試験開始を繰り下げたほか、2会場で2人が再試験の対象となっています。

初めて実施された共通テストは、出題方法はマークシート方式が維持されていますが、思考力や判断力がより重視されるようになり、問題文や扱う資料の分量が増加し多くの試験科目で問題のページ数が増えています。

2日目の17日は、理科と数学の試験が行われます。

出題傾向は 思考力や判断力重視

31年続いたセンター試験に代わって初めて実施された大学入学共通テスト。

初日の16日は、地理歴史、公民と、国語、それに外国語と英語のリスニングが実施されました。

出題方法はこれまでどおりマークシート方式が維持されましたが、内容は従来よりも思考力や判断力が重視され、知識偏重ではなく、みずから考える力が問われるとされています。

初日の16日の試験問題のページ数を去年のセンター試験と比べると、地理歴史が合わせて165ページから179ページに、公民が合わせて125ページから143ページに増えました。

英語の「リーディング」では、配点が200点から半分の100点になりましたが、問題は26ページから32ページに増え、50点だった配点が倍の100点に増えた英語の「リスニング」は、10ページから20ページに増えています。

また「リスニング」は、これまではすべての問題で2回同じ文章が流されましたが、今回から1回だけ流す問題も導入され、6つの大問のうち4つで音声が1回だけ流されました。

予備校の分析は

16日に行われた試験について、大手予備校の代々木ゼミナールは独自に分析を進めていて、地理歴史の世界史Bではペストの流行など多様なトピックが扱われ、表やグラフ、歴史の資料が豊富に提示されるなど、センター試験から大きく傾向が変わったとしています。

公民の現代社会では、問題文や資料の分量が増加したことで解答を導くのに時間がかかり、配分が難しかった受験生が多いだろうとしつつ、教科書の知識を習得した上で対策した受験生は落ち着いて解けただろうとしています。

一方、国語については、複数の文章を関連付けさせる設問など新しい傾向が見られたものの、センター試験を踏襲した問題も少なくなかったとしています。

そして、英語のリーディングについては、これまで出題されていた発音やアクセントの問題はなくなって、すべて読解問題形式となり、使用された単語数も大幅に増えているとして、英文を素早く読んで必要な情報を正確に読み取る力が重要になっていると分析しています。

身近な話題 社会で議論となる題材も出題

思考力や判断力をより重視した今回の大学入学共通テスト。受験生に身近な話題に加え社会で議論となる題材についても出題されました。

身近な話題では、地理Aで若者を中心に人気となったタピオカミルクティーを題材に世界のさまざまなものを食べたり飲んだりできる理由や食文化について答えさせる問題が出たほか、世界史Bでは上野動物園のパンダについて2人の人物の会話から、日中関係や中国を取り巻く国際環境について出題されました。

さらに現代社会では、国政選挙で投票する想定で2つの政党の政策を比較して、それぞれの特徴を答えさせるなど、主権者教育に触れています。

読み解く力を重視

今回の特徴となった歴史の資料や図表の読み込みでは、日本史Aで戦時中に発行された戦況に関する号外が示され、読み解く力が試されたほか、英語のリーディングでは、携帯でのやり取りなど実用的な場面を想定した英文が出題され、必要な情報を正確に読み解く力が重視されています。

さらに近年、議論となるテーマも出題され、世界史Bではイギリス人作家ジョージ・オーウェルの小説「1984年」の概要を読ませたうえで、歴史資料の改ざんが実際に行われた例を選択肢から選ばせたり、過去の組織的な改ざん前の文章と改ざん後の文章を比較させ、その意図を答えさせたりする問題もありました。

実際に問題作成に関わった大学入試センターの担当者は、「参照する資料が多くなったことや、仕掛けを組み込んだことにより全体的にページ数が増えた。出題についても特に意図したというより、重要な問題について触れたと考えている。受験生の年代が特に知っているだろう身近な話題から大きな題材につなげる工夫を意識した」と説明していました。

リスニング試験中に停電 島根 隠岐の島町

16日行われた大学入学共通テストで、会場になった島根県隠岐の島町の隠岐高校では、英語のリスニングの試験中に停電が起き、試験を中断するトラブルがありました。

この会場では、午後7時45分からリスリングの試験を再開する対応をとったということです。

中国電力によりますと、隠岐の島町では16日午後5時46分から一時、7000戸余りで停電が起き、完全に復旧するまでに30分ほどかかったということです。

隠岐高校の試験会場を管理する島根大学によりますと、この時間帯は英語のリスニングの試験中で42人が受験していましたが、会場の照明が消えたため試験を中断したということです。

その後、復旧したため大学入試センターと協議の上、午後7時45分からリスニングの試験を再開する対応をとったということです。