去年の世界航空旅客60%減少「数百万人の雇用脅かされている」

去年1年間の世界各地の国際線と国内線を合わせた旅客便の利用者は、新型コロナウイルスの感染拡大で前の年に比べて60%の大幅な減少となったことが国連の専門機関のまとめで分かりました。

これは国連の専門機関、ICAO=国際民間航空機関が15日に発表したもので、それによりますと、去年1年間の、世界各地の国際線と国内線を合わせた旅客便の利用者は18億人で、45億人だったおととしに比べて60%の大幅な減少となりました。

これは新型コロナウイルスの感染拡大で世界各地で渡航制限や外出制限が実施されたためで、落ち込みの幅は国内線が50%だったのに対し国際線は74%と一層大きくなっています。

世界の航空各社の損失は合わせて3700億ドル、日本円で38兆円余りに上るということで、ICAOは「数百万人の雇用が脅かされている」と懸念を示しています。

今後の航空需要の見通しについてICAOは、ことしの第2四半期には回復に向かうと期待されるものの、実際にはワクチンの普及の程度などによるという見方を示しています。