緊急事態宣言拡大後 初の週末 各地で人出減少も

緊急事態宣言の対象地域が11の都府県に拡大されてから初めての週末を迎え、各地の観光地などは人出が減少している様子がうかがえます。

政府は大型モニターで外出自粛呼びかけ

緊急事態宣言の対象地域が11の都府県に拡大されてから初めての週末を迎えましたが、政府は、去年春の宣言の際に比べて人の流れが減っていないとしています。

このため政府は、16日から、東京 新宿区の大型モニターで、西村経済再生担当大臣らのメッセージを流し、不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。

メッセージで西村大臣は「不要不急の外出や移動、県をまたぐ移動も含め、控えてほしい。今すぐ対策を強化することで、必ず感染拡大を止めることができる」と訴えています。

また、政府の分科会の尾身茂会長も「話すときはマスクを着用し、会食や飲み会は延期してほしい」と求めています。

近くに住む20代の会社員男性は「きょうは買い物のために外に出たが、感染源とならないよう必要のない外出はやめている」と話していました。

一方、20代の大学生の女性は「午後8時までなら外出や会食は大丈夫だという雰囲気を感じるので、もっと強い措置が必要だと思う」と話していました。

政府は、ほかの繁華街での呼びかけや、外国語のメッセージも予定するなど、呼びかけを強化していく方針です。

大阪 観光名所も閑散

大阪のシンボル、通天閣がある観光名所「新世界」は休業している店も多く街は閑散としています。

通天閣がそびえ立ち串カツの発祥地とされる「新世界」は、ふだんは、人の行き来が絶えませんが、緊急事態宣言が出されたことで、来月7日まで休業する飲食店も多く、16日は地元の人や家族連れなどがわずかにみられる程度で街は閑散としています。

大阪 浪速区の通天閣は、関西の3府県に緊急事態宣言が出てからは、訪れる人が例年の1割にも満たない1日100人ほどに減っているということです。

府内から通天閣を訪れた70代の女性は「近くで用事があったので、久しぶりに登りました。昔はもっと人通りがあったと思います。早くコロナがなくなって普通どおりの生活になることを願います」と話していました。

通天閣観光株式会社の高井隆光社長は「宣言は本当にショックで、昼間でも街が閑散としていて、ゴーストタウン化していると感じます。正直、経営は苦しいですが、街のシンボルとして通天閣が休業してしまうと、街自体にも大きな影響があるので歯を食いしばりながら立ち続けています」と話していました。

福岡 道の駅の人出もまばら

福岡県朝倉市の道の駅「ファームステーションバサロ」は、とれたての野菜や果物など旬の食材が並ぶ人気の道の駅で、ふだんの週末は多くの人たちでにぎわいます。しかし、緊急事態宣言が出されて初めての週末となった16日、午前中に訪れた人の姿はまばらでした。

道の駅によりますと「Go Toトラベル」が一時停止された先月28日以降、来客数が減り始め、緊急事態宣言が出されてからさらに減少傾向にあるということです。

このため、収益の確保に向け、午後5時半までの営業時間の短縮や、インターネット販売の充実などを検討していくとしています。

道の駅の運営会社の布木昌行取締役は「今後、どのように人の動きが変わるのか分かりません。宣言が出されすでに2割くらい減少していてさらに減少していく可能性があるので、対策を打っていきたい」と話していました。

岐阜市 中心部の岐阜駅前も閑散

岐阜県では県民に対して不要不急の外出、特に午後8時以降の外出と県をまたぐ移動について自粛するよう要請しています。

岐阜市の中心部JRの岐阜駅周辺は、ふだんの週末は名古屋などに出かける人でにぎわっていますが、16日は閑散としています。

岐阜市の20代の女性は「アルバイトのため通勤でJRを利用しましたが、いつもより人が少なくて驚いています。ふだんはなるべく外出をしないように心がけています」と話していました。

また、岐阜県はこれまで酒を提供する飲食店に限ってきた午後8時までの営業時間の短縮要請を、16日からすべての飲食店に拡大します。

岐阜市の飲食店街、玉宮地区では営業時間を短縮している飲食店に加えて、緊急事態宣言の期間中休業する店も多く見られました。

飲食店の副店長の男性は「ランチや弁当の売り上げは上がっていますが、営業時間の短縮は大きな打撃です。苦しい状況ですがなんとか営業を続けていきたいと思います」と話していました。