アメリカ 去年11月に臨界前核実験実施 トランプ政権で3回目

アメリカが去年11月に核爆発を伴わない臨界前核実験を行っていたことが分かりました。アメリカが臨界前核実験を行ったのはおととしの2月以来で、トランプ政権では3回目です。

アメリカ・エネルギー省傘下のNNSA=核安全保障局は15日、NHKの取材に対し、去年11月に西部ネバダ州にある核実験場で臨界前核実験を行ったことを明らかにしました。今回の実験は「ナイトシェードA」と名付けられたということです。

NNSAは実験の詳しい内容を明らかにしていませんが、アメリカが臨界前核実験を行ったのはおととしの2月以来で、トランプ政権では3回目です。

トランプ政権は、2018年2月、新たな核戦略を発表し、ロシアや中国に対抗するため、「低出力核」と呼ばれる威力を抑えた核兵器の増強などを打ち出し、核関連施設の近代化のための予算を拡充するなど核戦力の強化を目指してきました。

トランプ政権が新たに臨界前核実験を行っていたことが明らかになったことで、反核団体などからは強い反発が予想されます。

日本被団協の代表「気持ち通じず」

アメリカが「臨界前核実験」を行っていたことについて、広島の被爆者である日本被団協の箕牧智之全国理事は「広島や長崎の被爆者は強い憤りを感じている。今月22日の核兵器禁止条約の発効を待ちわびている気持ちがホワイトハウスには通じなかった」と怒りをにじませました。

そのうえで「世界の政治家は広島と長崎に来て、原爆ドームなど核兵器の怖さが分かるものを見て実相を知ってほしい。そして、われわれは核兵器の廃絶を求めていく」と訴えていました。

そして、今月22日の核兵器禁止条約の発効に向け「日本政府は条約に署名批准をしてほしい。それができないなら、発効後に開かれる締結国会議に最低でもオブザーバーとして参加してほしい。被爆国が何もしないという態度をとったら世界から恥ずべきことだと思う。アメリカに気兼ねすることはない」と述べました。

長崎県 中村知事「人々の願いに逆行」

長崎県の中村知事はコメントを出し「県民をはじめ、平和と核兵器廃絶を求める世界の多くの人々の願いに逆行するものであり誠に遺憾だ。事実関係を確認したうえで、直ちにアメリカに対して厳重に抗議するとともに、臨界前核実験など核兵器の維持存続や開発につながる一切の核実験を実施することがないよう強く求める」と訴えました。

長崎市 田上市長「今後のアメリカの核政策を注視」

長崎市の田上富久市長は臨時の記者会見を開き「事実であれば抗議文などを出すことになる。アメリカの大統領が交代するという時期になって、今後のアメリカの核政策を注視していく必要があると考えていて、リーダーが変わっていく中でいい方向に向かうよう、被爆地としてさらなる努力をしていきたい」と述べました。