ブラジル 新型コロナ感染拡大 病床ひっ迫が深刻な地域も

新型コロナウイルスの感染者が世界で3番目に多い南米のブラジルでは、病床のひっ迫が深刻になっています。北西部の州政府は「多くの病院で病床の使用率が100%になっている」と訴え、軍が患者を移送する事態となっています。

ブラジルでは、累計の感染者数が830万人余りと世界で3番目に多く、亡くなった人は20万人余りと世界で2番目に多くなっています。

ことしに入り1日当たりの感染者の数は、多い日で8万人を超え、1日におよそ1500人が死亡するなど感染が拡大しています。

中でも、特に感染者が多い熱帯雨林のアマゾンがある北西部アマゾナス州では、病床のひっ迫が深刻になっていて、州政府は「多くの病院で病床の使用率が100%になっている」と訴えています。

また、病院では治療用の酸素ボンベが不足しているということで、これを受けて軍がボンベを輸送したり、患者を他の州に移送したりする事態となっています。

さらに病院で亡くなる人が増えて、遺体を安置する場所が不足し、一時的に遺体を収容する冷凍設備を増やしています。

ブラジルでは、サンパウロなど大都市でも病床の使用率が100%になる病院が増えてきていて、ワクチンの接種の開始を求める声も高まっています。