無給医 厚労省に改善求め要望書 “処遇変わらずコロナ診療も”

大学病院などで診療に当たっているにもかかわらず、給与が支払われない「無給医」としての処遇が変わらず、新型コロナウイルスの診療も求められているとして、当事者の医師などが厚生労働省に対して改善を求め、要望書を提出しました。

要望書を提出したのは、都内の大学病院に所属する無給医の男性と、勤務医で作る労働組合「全国医師ユニオン」、そして「日本労働弁護団」の弁護士らです。

無給医は、大学病院などで診療に当たっているにもかかわらず、研究などの名目で受け取るべき給与が支払われていない若手の医師で、国がおととし、存在を初めて認め、その後の調査で全国59の大学病院に2819人の無給医が確認されました。

全国医師ユニオンなどによりますと、今も状況は改善されず、無給医が新型コロナウイルスの診療を求められるケースも報告されているということで、要望書では、厚生労働省に対し、無給医を労働者であると認めたうえで、医師からの訴えがあった場合、速やかに行政指導を行うことなどを求めました。

要望書を提出した医師によりますと、労働基準監督署に改善のための指導を訴えても2年以上放置されているということで、全国医師ユニオンの植山直人代表は「無給医は生計を成り立たせるためにアルバイトもしていて、過重労働が慢性化している。厚生労働省が中心になって速やかに対応すべきだ」と訴えました。