電力の卸売価格高騰で「新電力」事業者を支援へ 経産省

寒さの影響による厳しい電力需給で電力の卸売価格が高騰し、「新電力」と呼ばれる小売り事業者の電気料金が大幅に上昇するおそれがあることから、経済産業省は新電力の事業者が大手電力会社から追加で電力を調達する際の料金に上限を設けることになりました。卸売市場の価格を安定化させ、利用者への影響を抑えるのがねらいです。

このところの寒さの影響で、暖房の使用が増えるなどして電力の需給が厳しい状況が続いていて、電力の卸売価格も、今月に入って1日の平均で、一時、先月と比べておよそ25倍値上がりしました。

「新電力」と呼ばれる新規参入した小売り事業者のほとんどは、卸売市場から電力を調達しているため、卸売価格が上昇すると、顧客が支払う電気料金も大幅に上昇するおそれがあります。
このため、経済産業省は「新電力」の事業者が足りなくなった電力を大手電力会社から追加で調達する際に支払う料金に上限を設けることになりました。
上限は、1キロワットアワー当たり200円で、これにより、卸売市場の価格を安定化させ、利用者への影響を抑えるのがねらいです。

梶山経済産業大臣は15日の記者会見で、「契約によっては、消費者への影響が及ぶことから、今後も対応を検討していく。暖房の利用など、ふだん通りの生活をしながら、電気の効率的な使用を続けていただきたい」と述べています。

料金上限 導入の経緯は

家庭向けの電力の小売りは、5年前の2016年4月に自由化されました。

これによって、「新電力」と呼ばれる事業者が相次いで参入し、今では、全国におよそ700社あります。

「新電力」の多くは、卸売市場を通じて電力を調達していますが、このところの寒さによる需給の悪化で価格が高騰しています。

今月13日には、1日の平均価格で1キロワットアワー当たり154.57円まで上昇し、先月と比べて、およそ25倍値上がりしました。

「新電力」の中には、卸売価格と連動した電気料金のプランを提供している事業者もあり、顧客の支払う電気料金が大幅に上昇するおそれがあります。

このため経済産業省は、新たな支援策を決めました。

「新電力」は、需要に見合った電力を市場などで調達できなかった場合、大手電力会社に市場より高い価格、「インバランス料金」を支払って足りない電力を調達しています。

経済産業省は、この「インバランス料金」について、1キロワットアワー当たり200円の上限を設けることを決めました。

これによって「新電力」は、電力が不足しても大手電力会社から1キロワットアワー当たり200円以下で調達できるようになるため、卸売市場の価格の安定化が見込めるということです。

経済産業省は、この仕組みを当初、来年4月から導入する予定でしたが、今回の事態を受けて、前倒しして導入することにしました。