タイ 不法就労外国人へ働く許可出す代わりにPCR検査など義務化

タイ政府は、新型コロナウイルスの感染が外国人労働者の間で広がっていることを受けて、これまで感染対策が不十分だと指摘されてきた不法就労の人たちに、働く許可を出す代わりに、PCR検査などの対策を強化することを決めました。

タイでは先月中旬、首都バンコク近郊の鮮魚市場で働く外国人の作業員の間で大規模な集団感染が発生するなど、外国人労働者の間で感染が広がっています。

外国人労働者の中には周辺の国から不法に入国し、就労許可のないまま働いている人も多く、雇用する企業が感染拡大以降、当局による調査で、実態が発覚するのを恐れて労働者を突然解雇するケースもあり、感染拡大防止の面からも対策が不十分だと指摘されていました。

このためタイ政府は、企業などが登録を行えば、不法就労者に滞在や就労の許可を出し、その代わりに検査や医療保険への加入を義務づけることを決め、15日から受け付けを始めました。

対象となるのは隣接するミャンマー、ラオス、カンボジアの3カ国からの労働者で、最大で100万人に上るという民間の推計もあります。

企業の登録事務を代行する業者は受け付け初日の15日、オンラインのシステムで政府への申請を行っていました。

不法就労だというミャンマー人の男性は「家族が貧しく、タイで働かなければならない。正式な許可が出れば警察から逃げずにすむ」と話していました。