「コロナ禍 死にたいと思った」俳優や音楽家などの3割以上

新型コロナウイルスの影響について文化関連の団体が俳優や音楽家などを対象にアンケート調査を行ったところ「コロナ禍で死にたいと思ったことがあるか」という質問に対して3割以上が「ある」と回答するなど、厳しい現状が浮き彫りとなりました。

この調査は、文化関連の30以上の団体が参加する「演劇緊急支援プロジェクト」が先月31日から今月7日にかけてインターネットを通じて行い、俳優や音楽家など文化芸術活動に携わる5378人から回答が寄せられました。

この中で、自粛前と比べた収入について回答した人の5%余りにあたる286人が「無収入」と答えたほか、さきざきの新しい仕事の依頼があるかという質問には、1656人が「まったくない」と答え、回答した人の3割以上を占めました。

また、「コロナ禍で死にたいと思ったことはあるか」という質問に対しては3割を超える1725人が「ある」と回答し、厳しい現状が浮き彫りとなりました。

このほか、自由記述欄には「演劇をやることへの周囲からの差別的な考え方がつらい」「エンタメ業界の復活が難しくなり、文化的につまらない国になると思う」といった意見が記されていました。
この結果について、14日夜行われたオンラインの記者会見で、劇作家で演出家の瀬戸山美咲さんは「文化芸術は多くの人たちの心を支えているはずなのに不要不急なものと言われて支援も後回しになり、作り手たちの心が守られていないことを示す結果となったのではないか」と話していました。

演劇緊急支援プロジェクトは今回の結果を国に提出し、公的な支援の拡充などを要望しています。