イタリア 連立政権が崩壊のおそれ ウイルス対策めぐり対立

イタリアで連立政権の一角を占める政党が、新型コロナウイルスからの経済の立て直しに向けた予算案を批判して、連立からの事実上の離脱を表明し、ウイルス対策をめぐる対立によって政権が崩壊しかねない事態に陥っています。

イタリアでは、連立政権が経済の立て直しのため、日本円にして28兆円余りの予算案をまとめましたが、連立に参加する政党「イタリア・ビバ」は、医療や教育への配分が不十分だとして批判し、政権内部で対立が深まっていました。

「イタリア・ビバ」を率いるレンツィ元首相は13日、記者会見を行い「政府はウイルスを止めているのではない。政治を止めている」と述べ、所属する議員2人が閣僚を辞任すると発表し、連立政権からの事実上の離脱を表明しました。

政権は議会上院での過半数を失い、ウイルス対策をめぐる対立によって崩壊しかねない事態に陥っています。

地元メディアによりますと、コンテ首相は13日夜、2人の辞任を受け入れたうえで「極めて残念だ」と述べ、強い危機感を示しました。

イタリアでは、13日に新型コロナウイルスの死者が8万人を超えるなど深刻な状況が続いていますが、地元メディアは、コンテ首相が辞任する可能性や新たな連立を模索する可能性を伝えていて、政治の混乱が予想されます。