ラグビートップリーグ 16日の開幕延期 複数チームで感染相次ぐ

日本ラグビー協会とラグビートップリーグは、新たに3つのチームで18人の関係者が新型コロナウイルスの検査で陽性判定を受けたことなどから、16日に予定していたトップリーグの開幕を延期することを決めました。新たな開幕は、来月上旬から中旬を軸に検討するとしています。

16日に開幕が予定されていたトップリーグを巡っては、12日までにキヤノン、トヨタ自動車、それにサントリーで合わせて40人を超える関係者がPCR検査の結果、陽性の判定を受けたことから、すでに2試合の中止が決まっています。

日本ラグビー協会によりますと、14日までに
▽神戸製鋼で10人、
▽東芝で5人、
▽NECで3人が陽性の判定を受けたことが新たにわかったということです。

これで、6つのチームで合わせて62人が陽性の判定を受けたということです。

このため協会は14日、臨時の会議を開き、16日に予定していた開幕を延期したうえで、リーグの大会方式を一部変更することを決めました。

協会は、これまで陽性が確認された選手などについて「競技での接触ではなく、プライベートでの行動が原因とみられる」としています。

そのうえで今後、陽性者が出たチームなどへの聞き取りを行って感染の原因を調べるとともに、感染対策のガイドラインの見直しやPCR検査の頻度を増やすことなどを検討していくとしています。

そして、新たな開幕日については、来月上旬から中旬を軸に今後、検討するとしています。

日本ラグビー協会の岩渕健輔専務理事は「新たな陽性者が出てきているなかで、現状の大会フォーマットでは、大会の成立要件を満たすことが非常に難しくなっている。フォーマットを変更して、選手関係者の安心安全を担保したリーグ運営を再考し、なんとか今シーズンのトップリーグを成立させたい」と話しています。

神戸製鋼 選手など関係者10人陽性確認 当面活動休止へ

ラグビートップリーグの神戸製鋼は新型コロナウイルスのPCR検査などを行った結果、選手などチーム関係者10人に陽性が確認されたと発表し、チームの活動を当面、休止することを決めました。

神戸製鋼によりますと、今月11日と12日、選手やスタッフなど80人余りの全員を対象に、新型コロナウイルスのPCR検査などを実施した結果、選手など合わせて10人に陽性が確認されたということです。

陽性が確認された10人のうち、一部の人は入院し、そのほかの関係者は全員、自宅などで療養しているということで、チームの活動を当面、休止することを決めました。

活動再開の時期などについては、保健所や日本ラグビー協会などと協議して決めていきたいとしています。

神戸製鋼は「応援していただいているファンや地域住民の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしますことを心よりおわび申し上げます」とコメントしています。

トップリーグの感染対策は

ラグビートップリーグでは、新型コロナウイルスの感染対策について独自にガイドラインを作成して、リーグに所属するチームなどに対策を徹底するよう呼びかけていました。

ガイドラインでは選手やチームスタッフ、それに試合運営に関わる関係者について、起床の直後や就寝の前など、決まった時間に体温を記録すること、練習や試合以外の行動についても、食事に出向いた場所や同行者の情報を毎日メモに残すことなどが明記されています。

そして、息苦しさや、強いだるさ、高熱などの強い症状がある場合は、自主隔離したうえで、必要に応じて診療や検査を受けることとし、2週間症状なく過ごした場合は、チームに復帰して問題ないなどとしています。

また、発熱やせき、だるさ、味やにおいを感じないなどの症状が出た場合は、症状が持続せず、新型コロナウイルスに感染していないと推定できる場合でも、症状が出た日から7日間隔離するとしています。

そのうえで、症状が治まったあと、3日間の経過を見てから、平常の生活に復帰することを推奨しています。

さらに各チームでのトレーニングについても、最低でも2メートルの距離を取って行うこと、人数ごとにグループ分けし、グループ外のメンバーとは距離を保つこと、コンタクトプレーの練習時は、人数と時間を制限して感染リスクを最小化することなどを求めています。

開幕延期に伴い大会方式 一部変更へ

今シーズンのラグビーのトップリーグは、当初リーグ戦で行う「ファーストステージ」と「セカンドステージ」、それにトーナメント戦で行う「プレーオフ」の3つのステージを経て優勝チームを決めることになっていましたが、開幕が延期されたことに伴って、方式が一部変更されることになりました。

日本ラグビー協会によりますと、「ファーストステージ」のあと、「セカンドステージ」は行わずにトーナメント戦で優勝を争うという方式を軸に検討を進めているということです。

すでに中止が決まっていた「トヨタ自動車対サントリー」と「リコー対キヤノン」の2試合については、当初両チームに勝ち点2ずつが加算されることになっていましたが、この決定は無効となり両チームは新たなカードで開幕戦を戦うということです。