コロナ感染後入院先見つからず 自宅療養中の80代男性死亡 東京

都内に住む基礎疾患のある80代の男性が新型コロナウイルスに感染したあと入院先が見つからず自宅療養中に症状が悪化して死亡したことが分かりました。

都内では、患者の増加で入院先がすぐに見つからないケースも出ていて、都は「適切に入院できていればこういう事態を招かなかったかもしれない」と話しています。

東京都は、感染が確認された男女合わせて13人が死亡したことを13日明らかにし、このうち、80代の男性と50代の女性は自宅療養中に容体が悪化して医療機関に搬送されたものの死亡したということです。

このうち、80代の男性は糖尿病の基礎疾患があり、1月7日に陽性と分かったあと、翌日の8日に発熱などの症状が悪化しました。

このため、保健所が入院を調整しましたが受け入れ可能な医療機関が見つからなかったということです。

保健所は、男性の症状が一時軽くなったと家族から報告を受けたこともあり、自宅療養で対応していたということですが、男性は1月11日に症状が再び悪化し、死亡したということです。

都内では、患者の増加で入院先が見つからないケースも出ていて、都は「男性は基礎疾患もあり、適切に入院できていればこういう事態を招かなかったかもしれない。今後はリスクが高い人ができるだけ入院できるように調整していきたい」と話しています。

小池知事「確実に命を守れるか改めて点検したい」

これについて東京都の小池知事は14日、記者団に対し、「心からご冥福をお祈り申し上げる。病床の問題や感染者が増えることで連絡に手が回らないこともしばしば起こるが、亡くなる方を出さないことが都のいちばん大きな方針だ。その中で自宅療養で亡くなる人が出てきているのは、まさに今、厳しい状況であることの証左だ」と述べました。

そのうえで「どのようにして確実に命を守れるか改めて点検したい」と述べ、入院の調整や医療提供体制の強化に努める考えを示しました。