河井克行元大臣【第26回公判 1月12日】証人尋問

1月12日に開かれた克行元大臣の26回目の裁判。広島県議会議員2人と広島市議会議員の証人尋問が行われ、裁判で最大の争点となっている現金の提供に買収の目的があったかをめぐって証言が分かれました。

広島県議会 宮本新八議員

1人目の証人尋問は広島県議会の宮本新八議員で、おととし3月と5月に元大臣から30万円と20万円、合わせて50万円を受け取ったことを認めました。

このうち1回目の状況について検察官から尋ねられると、「私の事務所を訪ねてきた克行元大臣と話す中で、『大変なんですよ。応援してください、助けてください』と言われた。帰り際に『これ』と言いながら白い封筒を机の下から渡してきた。社交辞令的にいったん断ったが、『まあまあ』と言われ受け取った」と証言しました。

そのうえで現金提供の趣旨については、「私の選挙の前だったので陣中見舞いだと思って受け取ったが、封筒の厚さからこれは違うと思った。案里議員の話をしていたので選挙を手伝ってほしいという趣旨だと思った」と述べ、買収目的の金だと認めました。

また、2回目の状況については「北広島町の観光協会の総会の後に、元大臣に別室に呼ばれ、『これ、いつものやつだから』と白い封筒を渡された。毎年夏と冬にもらっている交付金かとも思ったが、いつもより時期が早いのと、案里議員の選挙が近いので『時期が悪いです』と言って断ったが、『まあまあ』と差し出してきた。声がロビーに漏れるといけないので受け取った」と証言しました。

広島県議会 岡崎哲夫議員

広島県議会の岡崎哲夫議員は、去年10月にも案里議員の裁判で証人尋問が行われていて、2回目の出廷となりました。

前の証人尋問では、案里議員から30万円を受け取ったことについて主に聞かれ、「参院選の支援のことも頭にあったが、私の当選祝いだと思ったので違法性の感覚はなかった」と証言していました。

今回の証人尋問では、おととし6月に克行元大臣から20万円を受け取ったことについて、「『20万円入っているのでお使いください。大変厳しい選挙です』と言われ、白い封筒を机の上に置かれた」と証言しました。

そして「私の選挙区での案里議員の票の掘り起こしであろうと思った。違法性があるお金だと思い、もらうことに対して違和感があった」述べ、克行元大臣からの現金については、買収の目的のある金だったとはっきりと認めました。

岡崎議員は「大変浅はかで慎重さに欠けた軽率な行為で、反省しています」と謝罪しました。

広島市議会 石橋竜史議員

一方、3人目の証人尋問となった広島市議会の石橋竜史議員は、検察が主張する買収にはあたらないと証言しました。

石橋議員はおととし5月に克行元大臣から30万円を受け取ったと認めたうえで、当時の状況について、「『当選おめでとう、これを取っておきなさい。2人だけの秘密だからね』と言われ、内ポケットにねじこまれた」と述べました。

そのうえで現金の趣旨については「それまでも年に2回ほど、季節のあいさつということでお金をもらっていたが、私の当選に際してあいさつをしたいということだったので、当選祝いだと思った。また、市議選で3期目の当選を果たし地元で力をつけている私を手なずけておくか、支配下に置いておく趣旨ではないかと感じた」と証言し、買収目的を否定しました。

これに対し検察官は、石橋議員が事情聴取で買収目的を認めた供述内容を読み上げ、「どちらが正しいのか」とか「支持基盤に影響があると考えて事実と異なる説明をしているのではないか」などと問いただしましたが、石橋議員は法廷での証言が正しいとして、検察官の主張に沿った証言はしませんでした。

検察、弁護側双方の尋問が終わった後、裁判長からも質問がありました。

裁判長は、石橋議員がメディアの取材に対して当初「現金を受け取っていない」と答えていたことについて、なぜそのように答えたのか尋ねました。

これに対して石橋議員は「『内緒の話』ということもあり、すぐに言う気になれなかったがノーコメントを貫くと、メディアは回答を得るまでずっと取材してくる。もらったともいえず、どっちつかずでも連絡がくるので、『もらっていない』と答えた」と述べました。