緊急事態宣言 栃木県 医療団体が会見「医療崩壊始まっている」

栃木県内で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることを受け、県内の医療関係の4団体による「栃木県四師会協議会」が記者会見を開き、「医療崩壊はすでに始まっていると言わざるをえない」と述べ、強い危機感を示しました。

栃木県では、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、政府は13日、これまで首都圏の1都3県に出していた緊急事態宣言を栃木県を含む7府県にも出す方針です。

こうした状況をうけ、県医師会や県看護協会など県内の医療関係の4団体で構成する「栃木県四師会協議会」が13日に記者会見を開き、「県内の医療提供体制はひっ迫している」として強い危機感を示しました。

この中で県医師会の稲野秀孝会長は、感染者の入院などがスムーズに行えていないとして、「医療従事者や保健所の職員が昼夜問わずに献身しているが、それも限界だ。心身ともに疲弊している。医療崩壊がすでに始まっているといわざるをえない」と述べました。

そのうえで、団体独自で「栃木県医療緊急事態宣言」を発表し、国や自治体に医療現場への適切な支援を要請するとともに、県民に感染防止対策の徹底を呼びかけました。

また、県看護協会の朝野春美会長は、医療従事者とその家族への差別や偏見が続いているとして、「県民にねぎらいや敬意を表してもらえることが、医療従事者の原動力になる」と訴えました。