米トランプ政権 太平洋地域などの戦略まとめた内部文書を公表

アメリカのトランプ政権は、インド太平洋地域に関する戦略をまとめた内部文書を公表しました。
中国に対抗するため、日本列島から台湾などへ延びる「第1列島線」を防衛すると明記していて、こうした方針をバイデン次期政権も引き継ぐよう促すねらいもあるとみられます。

この内部文書は、トランプ政権が2018年2月に承認し、現在までインド太平洋地域の戦略的な指針としてきたもので、機密指定を解除して、12日、公表しました。

この中で、中国については不公正な貿易慣行をやめさせ、自由や民主主義の価値観を広めて対抗することを目指すなどとしています。

また、軍事面では紛争時に日本列島から台湾、フィリピンへ延びる「第1列島線」の内側で中国の制空権や制海権を認めないことや、台湾を含む「第1列島線」に位置する国や地域を防衛するなどと明記しています。

一方、北朝鮮については「核兵器の放棄が、体制が生き延びるための唯一の道だと説得することを目指す」としたうえで、最大限の圧力をかけ、北朝鮮が非核化に向けた措置をとれば交渉を検討するなどとしています。

あえて機密指定を解除し、内部文書を公表した理由について、安全保障問題を担当するオブライエン大統領補佐官は声明で、「アメリカが長く将来にわたり自由で開かれたインド太平洋地域を守ることを国民や同盟国に伝えるためだ」と強調していて、トランプ政権の方針をバイデン次期政権も引き継ぐよう促すねらいもあるとみられます。

中国「腹黒い魂胆」と米を批判

中国外務省の趙立堅報道官は13日の記者会見で、「アメリカが、この戦略にかこつけて、中国を封じ込め、地域を不安定化させようという腹黒い魂胆があらわになっている」と批判しました。

そのうえで、「アジア太平洋地域は、中国とアメリカの利益が最も集中的に絡み合う地域だ。アメリカは、冷戦時代の思考を捨て、アジア太平洋地域を、大国間のゼロサムゲームの場ではなく、両国が互いに協力する舞台にすべきだ」と呼びかけました。