EU 加盟国間移動を自由に ワクチン接種証明書の導入検討へ

新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まったEU=ヨーロッパ連合で、接種を受けた人が加盟国の間を自由に移動できるようにする共通の証明書の導入について、本格的な検討が始まることになりました。

EUでは、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が、先月下旬から一斉に始まっています。

こうした中、ギリシャのミツォタキス首相は12日、EUのフォンデアライエン委員長に書簡を送り、ワクチンの接種についてEUで共通の証明書を作ることを提案しました。

書簡では「ワクチンの接種を渡航の際の義務や条件にはしないものの、接種を受けた人は自由に移動できるようにすべきだ」と訴えました。

あわせて、ギリシャ政府が準備を進めている証明書のサンプルも書簡に添えています。

EUでは多くの加盟国の間で、国境をまたぐ自由な移動が認められていますが、感染の拡大を受け、国によっては加盟国からの渡航者に対しても入国の際に陰性証明の提出や、入国後に10日間や14日間の自主隔離を求めています。

人の移動が制限される中、EU域内では重要な産業である観光業が深刻な打撃を受けていて、ギリシャ政府は春の観光シーズン前の導入を目指したい考えです。