朝や夕方 電力需給厳しさ続く地域も 電力各社が節電呼びかけ

13日は全国的に気温が上昇すると予想されていますが、電力各社によりますと朝や夕方を中心に需給が厳しくなる地域もある見込みです。
火力発電の燃料となるLNG=液化天然ガスの在庫が減少しているためで、各社では、電気を効率的に使うなど節電への協力を引き続き、呼びかけています。

12日は、全国的に天候が悪化し、3連休明けで工場も稼働したため電力需給が厳しくなり、供給力に対する需要の割合を示す「使用率」は、一時、関西電力で99%、四国電力で98%まで上昇しました。

13日は全国的に気温が上昇すると予想されていますが、電力各社によりますと朝や夕方を中心に需給が厳しくなる地域もある見込みです。

このところの寒さの影響で、電力の需要が事前の想定を超え、火力発電の燃料となるLNG=液化天然ガスの在庫が減少しているためです。

しかし、産出国のオーストラリアなどで、生産施設のトラブルが相次いでいることなどから追加の調達にはなお時間がかかるとして、当面、電力需給の厳しい状況が続く見通しです。

このため、各社は、家庭や企業に対して暖房などはこれまで通り継続して利用してもらう一方、日常生活に支障のない範囲で照明やその他の電気機器の使用を控え、電気を効率的に使うなど節電への協力を引き続き、呼びかけています。

電力ひっ迫の背景

この冬、電力の需給が厳しくなっている背景には需給両面に要因があります。

需要面では、想定以上に寒い日が続き、暖房の使用が増えていることが要因です。

電力各社では、毎年、10年に1度の厳しい寒さになった場合の電力需要を想定し、それでも十分な余力を確保できるよう供給計画を作っています。

しかし、このところの厳しい寒さで、今月8日は、九州電力や中国電力など7つの大手電力管内で電力需要が想定を上回るなど、需要の高い状況が続いているということです。

このため、火力発電所の燃料となるLNG=液化天然ガスの消費量が事前の想定を上回り、全国的に在庫が減っているのです。

経済産業省によりますとLNGは、二酸化炭素の排出量が石炭の半分程度であることから日本でも環境への負荷を減らすため火力発電の燃料への利用が増えていて、LNGを使った火力発電は国内全体の発電量の4割近くを占めているということです。

しかし、独立行政法人のJOGMEC=石油天然ガス・金属鉱物資源機構によりますと、LNGの輸入先のオーストラリアやマレーシアなどの生産施設でトラブルが相次いでいるほか、中国や韓国でも寒波の影響でLNGの需要が高まり、産出国のアメリカからアジアに向かう航路となるパナマ運河で渋滞が起きるなど調達に時間がかかっているということです。

また、全国で普及が進んでいる太陽光発電もこのところの悪天候で、発電量が低下する日も少なくありません。

さらに、原子力発電も廃炉が決まったものを除くと、国内にある33基のうち新たな規制基準に合格して再稼働しているのは9基です。

こうした複合的な要因が重なり、電力需給がひっ迫しているのです。

専門家「数週間は需給のひっ迫続く」

エネルギー問題が専門の国際環境経済研究所の竹内純子理事は、電力の需給が厳しくなっている背景に火力発電の燃料となるLNG・液化天然ガスの在庫が不足していることを挙げ、その理由として、「世界的な寒波だけでなく脱炭素の流れで石炭火力から天然ガス火力に切り替える動きが広がり、パナマ運河で船が渋滞するなどさまざまな要因が複合的に重なったためだ」と述べました。

そのうえで、今後の見通しについて、「液化天然ガスは調達をかけたとしても例えば、カタールから運ぶとなると少なくとも10日はかかる。ここ数日、数週間は需給のひっ迫が続くと思っておくべきだ」と述べました。