社会

都立広尾病院など3病院 新型コロナ患者 重点的に受け入れへ

新型コロナウイルスの入院患者が増えて病床がひっ迫する中、東京都は、都立広尾病院など3つの病院で、新型コロナの患者を重点的に受け入れて実質的に専門病院とする方針です。
東京都が新型コロナウイルスの患者を受け入れるため確保している都内4000床の使用率は、12日時点で85.7%となり病床がひっ迫していて、さらなる確保が喫緊の課題です。

こうした中、都は「都立病院」と、都の政策連携団体の公社が設置する「公社病院」の合わせて14の病院で今より600床増やして1700床とする方針を決めています。

さらに、関係者によりますと、14の病院のうち、渋谷区の広尾病院と大田区の荏原病院それに板橋区の豊島病院で新型コロナの患者を重点的に受け入れて実質的に専門病院とする方針です。
このうち、広尾病院では新型コロナ以外の入院や診療はすべて休止し、240床を確保して受け入れを目指します。
また、豊島病院と荏原病院では、周産期や精神科の救急以外の入院と診療をやめて、それぞれ240床を確保して受け入れを目指します。

さらに、このほかの病院でも急ぎでないと判断した手術を休止するなど一般医療の規模を縮小して受け入れ態勢の拡充を目指します。

現在、それぞれの病院に入院している一般の患者は近隣の民間医療機関に転院してもらう必要があり、調整を行っているということです。

都立公社14病院の対応は

都が、新型コロナウイルスの患者を重点的に受け入れたり、
患者用の病床を増やしたりする方針の14の病院のうち、
▽患者を重点的に受け入れ実質的に専門病院とする病院は3つ、
▽一般医療の規模を縮小して最大限の病床を確保する病院は8つ、
▽精神疾患など特定の患者を受け入れる病院は3つとなる予定です。

このうち、
実質的に専門病院とする病院は
▽都立の広尾病院、
▽公社の豊島病院、
▽公社の荏原病院です。

この3つ病院はそれぞれ240床まで増やし、
このうち重症の患者用のベッドは
▽広尾病院で12床、
▽豊島病院で5床、
▽荏原病院で5床、
それぞれ確保します。

また、
検査入院や急ぎでないと判断した手術の休止など一般医療の規模を縮小して、
最大限病床を確保する病院は次の8つです。

▽都立の大塚病院は100床、
▽都立の駒込病院は106床、このうち重症用は2床、
▽都立の墨東病院は100床、このうち重症用は13床、
▽都立の多摩総合医療センターは200床、このうち重症用は21床、
▽公社の東部地域病院は100床、
▽公社の多摩南部地域病院は100床、
▽公社の大久保病院は100床、
▽公社の多摩北部医療センターは100床、
それぞれ確保します。

このうち、
都立の多摩総合医療センターは結核医療を休止します。

このほか、
▽新型コロナに感染した患者で特定の専門医療を提供する病院として、
精神疾患のある患者を受け入れる都立の松沢病院は18床、
子どもの患者を受け入れる都立の小児総合医療センターは48床、
神経系の難病患者を受け入れる都立の神経病院は8床、
それぞれ確保します。

小池知事「新型コロナ対応の実質的な専用病院に」

東京都の小池知事は都庁で記者団に対し、「歴史ある都立病院と公社病院の中には、もともと感染症対策としてつくられた病院もある。病床がひっ迫している状況で、都立病院と公社病院を新型コロナウイルスの患者に対応するための実質的な専用病院にする」と述べました。

一方で、小池知事は「そのぶん、今、入院しているさまざまな疾病を抱えている方に、ほかの病院に移ってもらうなど具体的な話が出てくる。現場の声も聞きながら進めていく」と述べました。

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