全国のインフルエンザ患者報告数 3日までの1週間で「69人」

今シーズンのインフルエンザについて、1月3日までの1週間に報告された患者の数は全国で69人で例年より大幅に少ない状況が続いています。

厚生労働省によりますと1月3日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告があったインフルエンザの患者数は前の週と同じあわせて69人で、例年と比べて大幅に感染者が少ない状態が続いています。

患者が報告された地域は全国25の都道府県で前の週から3減りました。

インフルエンザは1医療機関あたりの1週間の患者数が全国で1人を超えると「全国的な流行期」入りとされていますが、今の時点では0.01人と大きく下回っています。

国立感染症研究所などによりますと、毎年この時期には1万人から10万人程度の報告があるということで、インフルエンザの年が明けた1月以降まで全国的な流行期入りしなかったのは、2015年から2016年にかけてのシーズン以来5年ぶりだということです。

専門家「手洗いなど対策根付いたことなど要因か」

感染症が専門で国立病院機構三重病院の谷口清州臨床研究部長は「インフルエンザの流行分析を20年間、続けてきた中で、これだけ患者が少ないシーズンは経験がない。インフルエンザについては、多くの人が基礎免疫を持っていることに加え、手洗いなど対策が根付いたことなどが、患者が少ない要因だと考えられる。また、新型コロナウイルスの広がりによって、ほかのウイルスが侵入できなくなる『ウイルス干渉』という現象が起き、インフルエンザの患者が減っている可能性もある。インフルエンザが今後、大きな流行になるとは考えにくい状況だと思うが、インフルエンザも新型コロナも感染予防の対策は同じなので、一人一人が引き続き取り組んで欲しい」と話しています。