東宝 「鬼滅の刃」ヒットで年間利益見通し1.5倍に引き上げ

大手映画会社「東宝」は、人気漫画「鬼滅の刃」が原作となったアニメーション映画が異例のヒットとなったことなどから、来月までの1年間の利益の見通しをこれまでのおよそ1.5倍に引き上げると発表しました。

東宝が12日発表した去年11月までの9か月間の決算は、売り上げが前の年の同じ時期よりも31.5%少ない1378億円、最終利益は61.9%少ない112億円となりました。

一方、合わせて発表した来月までの1年間の業績見通しでは、最終的な利益を140億円と見込み、これまでの90億円のおよそ1.5倍に引き上げました。

これはアニメーション映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が先月末までに330億円を超えて国内で上映された映画で歴代1位と異例のヒットになったことが主な要因です。

ただ新型コロナウイルスの影響で洋画の公開がほぼ止まっていることなどから、前の1年間の最終利益を60%余り下回る水準で、依然として厳しい状況が続いています。

東宝の太古伸幸副社長は記者会見で「鬼滅の刃が『干天の慈雨』となったが、それがなければ大変な状況だった。新型コロナウイルスの感染の先行きは見通せず、来期以降も影響が続くのではないかと心配している」と述べました。

「鬼滅の刃」効果は映画産業にとどまらず

人気漫画「鬼滅の刃」は、さまざまな企業がタイアップして商品開発や販売促進のキャンペーンを展開していて、映画産業にとどまらず効果が広がっています。
このうち回転ずしチェーン大手の「くら寿司」は、去年6月に主人公の竈門炭治郎など人気キャラクターの描かれたクリアファイルをプレゼントする期間限定のキャンペーンを行ったところ、キャンペーン初日に平日としては過去最高の売り上げを記録したということです。

また大手コンビニのローソンも鬼滅の刃とタイアップしたおにぎりやから揚げなど60種類以上発売し、1月5日までに80億円以上を売り上げたということです。
さらに飲料大手のダイドードリンコは、去年10月から人気キャラクターが描かれた缶コーヒーを売り出したところ、発売から3週間で5000万本を売り上げ、業績の押し上げ要因になったとしています。

新型コロナウイルスの感染拡大で消費は打撃を受けていますが、社会現象とも言える人気を集めた鬼滅の刃は、一定程度掘り起こしに貢献した形です。