関西3府県への緊急事態宣言 13日にも出す方向で調整 首相

新型コロナウイルス対策をめぐり、菅総理大臣は、自民党の役員会で、大阪、京都、兵庫の3府県を対象にした緊急事態宣言について、専門家の意見を踏まえ、速やかに判断する考えを示しました。政府は、13日にも、緊急事態宣言を出す方向で調整しています。

菅総理大臣は、12日開かれた自民党の役員会で、新型コロナウイルス対策について「政府の分科会の尾身会長からは『皆がまとまって頑張れば、1か月でステージ3に行くことは可能だ』ということばをもらっている。全員で協力することが、いちばん大事であり、国民によく説明し理解を得ていきたい」と述べました。

そのうえで、大阪、京都、兵庫の3府県を対象にした、特別措置法に基づく緊急事態宣言について「専門家の意見を踏まえ、状況を見て、速やかに判断していきたい」と述べました。

政府は、13日にも、緊急事態宣言を出す方向で調整していて対象となる地域について専門家の意見も踏まえて、最終的に判断するとしています。

また、菅総理大臣は、来週18日に召集される通常国会について、今年度の第3次補正予算案や新年度予算案、それに新型コロナウイルス対策の特別特措法の改正案などを早期に成立させたいとして協力を求めました。

加藤官房長官「速やかな対応を検討」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「緊急事態宣言は感染状況や医療提供体制の状況などを踏まえ、自治体とも緊密に連携しながら政府内で検討したうえで『諮問委員会』で議論をいただく仕組みとなっている。大阪府をはじめとする厳しい状況にある都道府県の取り扱いについては、専門家の意見も踏まえ、状況をよく見つつも、速やかな対応を検討していきたい」と述べました。

自民 二階幹事長「慎重かつ果敢に対応」

自民党の二階幹事長は記者会見で、大阪、京都、兵庫の3府県を対象にした緊急事態宣言について「予測していろいろ申し上げることは適当ではないが、専門家の意見を中心に、慎重かつ果敢に対応しなければいけない」と述べました。

自民 世耕参議院幹事長「範囲は科学的見地で決定を」

自民党の世耕参議院幹事長は記者会見で「大阪、京都、兵庫なども緊急事態宣言が検討されており状況を深刻に受け止めている。対象範囲は政治的に決めるのではなく、専門家の科学的見地に基づいて決めてもらいたい」と述べました。

また、野党側が今年度の第3次補正予算案の組み替えを求めていることについては「組み替えて時間をかけるよりは、速やかに成立させて執行していくことが優先ではないか」と述べました。

立民 枝野代表「幅広に宣言出して感染者減少させることが必要」

立憲民主党の枝野代表は党の役員会で「感染を抑えられている地域があるので、全国一斉まで必要かどうかは別としても、先手先手で、緊急事態宣言を出し、住民に危機感を持って対応してもらわないと、医療崩壊という現実が拡大する。今こそ勇気を持って幅広に宣言を出し、集中的に、短期で感染拡大を収め、感染者数を大幅に減少させることが必要な状況だ」と述べました。

経団連 中西会長“宣言はやむなし”

政府が首都圏の1都3県に続き大阪、兵庫、京都の3府県にも緊急事態宣言を出す方向で調整を進めていることについて、経団連の中西会長は、感染状況や医療体制のひっ迫を考えるとやむをえないという認識を示しました。

リンパ腫が再発し療養している経団連の中西会長は12日、入院先からオンラインのテレビ会議システムを使って定例会見を行いました。

この中で、政府が首都圏の1都3県に続き大阪、兵庫、京都の3府県にも緊急事態宣言を出す方向で調整を進めていることについて、中西会長は「経済の状況からすると望ましいことではないが、感染者の数や病院の体制が大変な状況にあることは理解している。経済界としても、出勤者数の7割削減を守るだけでなく、会食を控えるなど一人一人が守らないといけないことをやるべき時だ」と述べ、感染状況や医療体制のひっ迫を考えると、宣言はやむをえないという認識を示しました。

そのうえで「今回、午後8時までの営業時間の短縮を求められた飲食店は大変だが、それに対する補償もきっちりやるべきだ」と述べ、政府に、自治体からの要請に応じた飲食店への補償をできるだけ手厚くするよう求めました。