去年12月の融資残高577兆円超で過去最高 コロナで高水準 日銀

銀行と信用金庫による企業や個人への融資が増え、先月時点の残高は577兆円を超え、比較ができる2000年以降で最も多くなりました。新型コロナウイルスの影響で資金繰りが厳しくなっている中小企業などへの融資が依然として高い水準となっています。

日銀が12日発表した「貸出・預金動向」によりますと全国の銀行と信用金庫が企業や個人向けに行った融資の残高は、先月1か月間の平均で577兆6393億円となりました。

2か月連続で前の月を上回り、比較ができる2000年以降で最も多くなりました。

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに企業の資金需要は膨らみ、最近では大企業は落ち着いたものの、資金繰りが厳しい中小企業や個人事業主向けの融資は増えていて、地方銀行と信用金庫の融資残高は過去最高を更新しました。

一方、企業や個人による預金は、設備投資などの出費を控える企業が増えていることなどから、先月1か月間の平均で802兆8673億円となり、こちらも過去最高を更新しました。

日銀は「感染の再拡大にともなう2回目の緊急事態宣言などで実体経済を下押しする懸念が高まっており、年度末に向けての動向を注視する必要がある」としています。