米 民主党 トランプ大統領 弾劾訴追の決議案 提出

アメリカの連邦議会にトランプ大統領の支持者らが乱入した事件を受け、野党・民主党は、トランプ大統領が騒乱をあおったとして、弾劾訴追の決議案を議会下院に提出しました。大統領の残りの任期が10日を切るなかで罷免を求める異例の事態になっています。

1月6日、アメリカの連邦議会に暴徒化したトランプ大統領の支持者らが乱入した事件をめぐっては、直前に開かれていた集会で大統領みずからが議会に向かい抗議するよう呼びかけていたことなどから、責任を問う声が強まっています。

これを受け、議会下院を主導する民主党は11日、トランプ大統領の罷免を求める弾劾訴追の決議案を提出しました。

一般の刑事事件の起訴状にあたる決議案では「トランプ大統領は政府への暴力をあおる重罪に関与した。大統領は国家安全保障と民主主義への脅威であり続ける」と非難しています。

決議案は近く議会下院で採決が行われ、民主党議員などの賛成多数で可決されてトランプ大統領は弾劾訴追される見通しです。

トランプ大統領はおととしにも、ウクライナ疑惑をめぐって弾劾訴追されていて、決議案が可決されれば、任期中に2度にわたって弾劾訴追された初めての大統領となります。

弾劾訴追された場合、議会上院で弾劾裁判が行われることになりますが、罷免には3分の2以上の賛成が必要で、罷免される可能性は低いと見られています。

民主党はトランプ大統領の責任を徹底して追及する構えで、大統領の残りの任期が10日を切るなかで罷免を求める異例の事態になっています。

副大統領に大統領解任求める決議の手続きも

民主党は11日、ペンス副大統領に対し憲法の規定に基づいてトランプ大統領を事実上、解任するよう求めることを議会下院として全会一致で決議するための手続きも始めました。

しかし、共和党の下院議員が反対したため、決議案は12日に下院本会議で採決にかけられる見通しです。

民主党は、副大統領に24時間以内の対応を求めていますが、現地メディアは、ペンス副大統領は大統領の解任を宣言する意向はないと伝えています。

民主党が主導する議会下院では、トランプ大統領の罷免を求める弾劾訴追の決議案の提出とあわせて、2つの手段で追及を強めています。

狙いは“今後の政治活動 阻止”という見方も

トランプ大統領の残りの任期が10日を切る中、弾劾をめぐる手続きが退任までに終わらなかった場合について、法律の専門家らは、過去に閣僚が退任後、弾劾訴追されたケースがあり、この前例にもとづいて大統領も退任後に訴追される可能性があると指摘しています。

また、民主党が、トランプ大統領の退任後も罷免を求める弾劾訴追を要求した場合、その狙いは、トランプ大統領の今後の政治活動を阻止することだという見方が広がっています。

アメリカの法律では、弾劾裁判で有罪になれば、その後、上院の過半数の賛成を得た上で選挙への立候補資格を剥奪できるとされているためです。

実際、民主党が11日に提出した決議案では「トランプ大統領は今後の公職を得る資格の剥奪に値する」としていて、立候補資格の剥奪に言及しています。

バイデン次期大統領 上院の幹部と“弾劾”進め方 検討

バイデン次期大統領は11日、議会下院でトランプ大統領の弾劾訴追の決議案が可決され、上院で弾劾裁判が開かれた場合の対応について記者団から問われたのに対し、「私の最優先課題は、ウイルス関連の経済対策を通過させた上で、経済を立て直すことだ」と述べました。

その上でバイデン氏は、議会上院の幹部と今後の議会運営について協議し、弾劾裁判に関連する審議と、新政権の閣僚などの高官人事の承認に向けた公聴会などを並行して行う方法はないか、検討していることを明らかにしました。