浄土ヶ浜遊覧船 58年の歴史に幕 岩手 宮古

岩手県宮古市の観光名所・浄土ヶ浜で、60年近くにわたって運航されてきた遊覧船が赤字や船の老朽化などのため11日、最後の運航を迎え、多くの人が別れを惜しみました。

宮古市の浄土ヶ浜を巡る遊覧船は、「岩手県北自動車」が昭和37年から運航し、東日本大震災の津波で3隻あった遊覧船のうち2隻が流されたあとも、残った「第16陸中丸」1隻で運航を続けてきました。

しかし、乗客数の減少で赤字が続いていたことや、船の老朽化などを理由に11日で運航を終えることになりました。

発着場では記念の式典が開かれ、地元の太鼓団体による演奏が行われる中、およそ130人の乗客とともに最後のクルーズに出発しました。

乗客たちは、複雑に入り組んだリアス式海岸の断崖を写真に収めたり、ウミネコに餌をやったりして船旅を楽しみました。

そしておよそ40分間のクルーズが終わると遊覧船は発着場に戻り、58年の歴史に幕を閉じました。

盛岡市の70代の女性は「終わってしまうのはとても寂しいです。船やスタッフの方々にはお疲れさまでしたと伝えたい」と話していました。

およそ30年間船長を務めた坂本繁行さん(72)は「ラストランも多くの方にご利用いただき感無量です。最後まで安全安心な運航を続けられたことが誇りです」と話していました。

今後は宮古市が新たな船を建造したうえで新たな運航先を募り、来年5月から運航を再開したいとしています。