緊急事態宣言出される中の成人式 会場や時間を分散 横浜

首都圏の1都3県に緊急事態宣言が出される中、全国の市区町村で最も新成人の数が多い横浜市では、会場や時間を分散させる対策をとったうえで成人式が行われました。

およそ3万7000人の新成人が誕生する横浜市では、感染対策として、会場を2つに増やし、それぞれの会場で4回ずつ合わせて8回、式典が行われました。

このうち午前中に横浜アリーナで開かれた式典では帯状ほう疹のため欠席した林文子市長に代わって、鯉渕信也教育長が「人生では、幾度か嵐を体験しますが、新型コロナウイルスもその1つです。賢くふるまい、あすの飛躍を期してほしい」と述べました。

そのうえで、感染拡大防止のため、式典の後に会食などを行わないよう強く呼びかけました。

式典の中で、新成人代表の畑中一希さんは「すべてを成長の糧にして自分が目指す人物像に近づきたい」と誓いのことばを述べていました。

横浜市によりますと8回の式典に参加した新成人の合計はおよそ1万5000人で、参加率は40%余りと去年より25ポイントほど低くなりました。

式典のあと、新成人の女性は「成人式が中止になっている自治体もあることを考え、残念ですが、きょうは、このまま家に帰ります」と話していました。

オンラインで生中継 東京・墨田区

一方、東京・墨田区では従来の形での成人式を中止し、式典の様子をオンラインで生中継しました。

墨田区は、およそ2000人の新成人を招いて成人式を開く予定でしたが、首都圏の1都3県を対象とした緊急事態宣言を受け、新成人を集めて行う従来の形での成人式の開催を急きょ、中止しました。

中止を受けて式の実行委員を務める9人の新成人や区長など限られた人だけが参加して式典を開きその様子をオンラインでライブ配信しました。

式典では墨田区の山本亨区長が「中止は、感染拡大を抑え、命を守るための決断だった。コロナ禍での成人で逆境からのスタートかもしれないが、初心や決意を忘れず、皆で乗り切ってほしい」と新成人に向けて語りかけたほか、交響楽団による演奏も配信されました。

また「#みんなでつくろう墨田の成人を祝うつどい」という共通のワードをつけて晴れ着などの写真をツイッターなどのSNSに投稿して互いにお祝いし合おうと呼びかけています。

式典の実行委員長の三浦丈さんは「オンライン配信という形にはなってしまったが、成功させることができてやり切った気持ちです。このあと、同窓会などで集まりたい気持ちも分かりますが、成人としての自覚ある行動をしてほしい」と話していました。

西村経済再生相 ツイッターで協力呼びかけ

成人の日に合わせて、西村経済再生担当大臣は、みずからのツイッターで、成人式で久しぶりに会った同級生との食事を控えるなど、新型コロナウイルスの感染拡大防止への協力を改めて呼びかけました。

この中で、西村経済再生担当大臣は、成人式のオンライン開催や延期を要請してきたことについて「感染拡大防止のためとご理解頂ければと思う。私も、ちょうど皆さんと同じ年頃の娘がいるので複雑な気持ちでもある」としています。

そのうえで「成人式が分散開催された地域では、久しぶりに会った同級生と一緒に食事をしたいだろうと思うが、そうした人どうしの食事は感染拡大のリスクが極めて高くなる。きょうは一緒に食事をするのは控えて、感染の状況が落ち着くまで延期していただきたい。多くの皆様の命、健康を守るためご理解ください」と呼びかけました。