北朝鮮 キム委員長が「総書記」に選出 朝鮮労働党大会で

北朝鮮の国営メディアは、朝鮮労働党の党大会で、キム・ジョンウン(金正恩)委員長が「総書記」に選出されたと伝えました。一方、韓国軍は北朝鮮が10日夜遅く、ピョンヤン中心部で軍事パレードを実施した動きをつかんだとしていて、アメリカ軍と確認を進めています。

11日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、10日、ピョンヤンで党大会の6日目が開催されたと伝えました。

党大会の決定書によりますと、キム・ジョンウン委員長について「党の総書記に推戴(すいたい)するという提議について、党大会は全面的に支持、賛同した」としていて、キム委員長が「総書記」に選出されたことを明らかにしました。

「総書記」は父親のキム・ジョンイル(金正日)総書記が就いていたポストです。

キム委員長は5年前の党大会で、新設された「党委員長」に就任しましたが、今回の党大会で父親と同じ「総書記」に就いたことになります。

また決定書では、キム委員長について「国家の核武力の完成という歴史的に大きな事業を実現し、祖国を世界的な軍事強国に変えた」としています。

国営メディアは「党大会は続く」と伝えていて、7日目に入っているとみられます。

一方、韓国軍の合同参謀本部は11日午前の会見で、北朝鮮が10日夜遅く、ピョンヤン中心部で軍事パレードを実施した動きをつかんだと発表し、アメリカ軍とともに確認を進めているとしています。

韓国軍 軍事パレード実施の動きつかむと発表

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が10日夜遅く、ピョンヤン中心部にあるキム・イルソン(金日成)広場で軍事パレードを実施した動きをつかんだと発表しました。

韓国軍は、朝鮮労働党の党大会に関連する軍事パレードだとしていて、予行演習だった可能性も含めてアメリカ軍とともに確認を進めているとしています。

キム・ヨジョン氏は政治局員候補外れる

10日の朝鮮労働党大会では、党幹部の人事も行われました。

国営メディアによりますと、キム・ジョンウン委員長の妹のキム・ヨジョン(金与正)氏は、これまで務めていた党の政治局員候補には選出されませんでした。

ヨジョン氏は去年、アメリカや韓国との関係についてたびたび談話を発表し、韓国の情報機関はキム委員長が絶対的な権限を持っているものの、ヨジョン氏に一部の権限の委譲が進められていると分析していました。

専門家「祖父、父と肩並べる存在に」

キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が「総書記」に選出されたことについて、北朝鮮の政治に詳しい慶應義塾大学の礒崎敦仁准教授は「今回の党大会は党の指導性の強化に重点が置かれていて、その象徴的な動きとして先代が担っていた総書記というポストに就いたことになる。父親を『永遠の総書記』として事実上の永久欠番として来たわけだが、それを覆す形で就任したことで、総書記に就いていたお父さん、おじいさんと肩を並べる存在になることを国内に誇示したことになる」と分析しました。

そのうえで「党大会に引き続いて開催される予定となっている最高人民会議で、キム・ジョンウン氏が『主席』などの国家のポストに国務委員長から変更する可能性も見えてきた」と述べ、今後、祖父のキム・イルソン氏が就いていた「主席」といった国家ポストへの就任の可能性も指摘しました。

また、キム・ヨジョン氏が政治局員候補に選ばれなかったことについて「以前にもこのポストから外れたことがあるが、党大会で中央のキム・ジョンウン氏の後ろにヨジョン氏が座るなど、明確に降格されたとは言えないのではないか。ヨジョン氏がジョンウン氏をこれからもサポートする役割を担っていくことが予想される」という見方を示しました。