アフリカ セーシェルでコロナワクチン接種開始 中国の会社開発

アフリカのセーシェルで、中国の製薬会社が開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まりました。セーシェルの国営通信などはアフリカでワクチンの接種が行われるのは初めてだと伝えていて、中国によるワクチン外交の一環とも受け止められています。

インド洋の島国セーシェルで10日、ワクチンの接種が始まり、テレビが生中継する中、首都ビクトリアの病院でラムカラワン大統領が最初に接種を受け、国民に積極的な接種を呼びかけました。

接種したのは中国国有の製薬会社、シノファームが開発したワクチンで、UAE=アラブ首長国連邦から5万回分が寄付されたということです。

セーシェルの国営通信などは、アフリカでワクチンの接種が行われるのは初めてだと伝えています。

これに先立つ9日、ラムカラワン大統領はセーシェルを訪れた中国の王毅外相と会談し、みずから率先して中国製のワクチンの接種を受ける考えを示していました。

アフリカでは、最も多くの感染者が確認されている南アフリカをはじめ、ほとんどの国でワクチンの確保が遅れていて、WHO=世界保健機関は経済的に豊かな国がほとんどを確保し、豊かでない国は十分確保できていないとして強い懸念を示しています。

こうした中、セーシェルで中国製のワクチンの接種が始まったことは、アフリカに積極的に進出する中国によるワクチン外交の一環とも受け止められています。