宮崎 あすから外出自粛要請 営業短縮の協力金は1日4万円に

新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むため、宮崎県は9日から全県民を対象に外出自粛などの要請を始めます。このうち、営業時間の短縮については、酒を提供しない店を含む飲食店全体に要請の対象を拡大し、協力金の額をこれまでの倍の1日4万円にすることを決めました。

宮崎県では8日も72人の感染が発表され、人口当たりの新規の感染者数でみると東京などに匹敵する状況が続いています。

県は7日に独自の緊急事態宣言を出し、9日からは県民に対する外出自粛の要請など、法律にもとづくさまざまな行動の要請が始まります。

これについて県は8日、新たに営業時間短縮を要請する対象を県内の「酒を提供する飲食店」から「飲食店」全体に拡大するとともに、応じた店に対する協力金をこれまで発表していた額の倍の1日4万円に増やすことを発表しました。

感染拡大の「急所」とされる飲食の場での感染機会を少しでも減らすとともに、より多くの事業者に協力してもらうねらいです。

このほか県民に対しては通勤や通学、通院、生活必需品の買い出し、散歩やジョギングなどの健康維持のための運動を除いて原則、外出を自粛するよう求めます。

また原則、県外との往来の自粛やイベントの中止や延期も求めます。

会食は4人以下で2時間以内とするよう要請するほか、仕事はテレワークや時差出勤を推奨します。

さらに、高齢者や基礎疾患のある人、高齢者施設に勤める人や医療従事者に対しては、会食などは身近な人に限るよう留意することを求めます。

7日に「歴史的な危機に直面している」と述べた河野知事は、8日の会見で「県内はもはや誰が感染しているか分からない状況で、ふだん一緒にいない人との会合は控えるなど、常に自分が感染している可能性があると考えて行動してほしい」と呼びかけました。

理解や懸念の声

9日から宮崎県独自の緊急事態宣言に基づく、不要不急の外出自粛の要請が出されることについて、宮崎市の宮崎駅前で話を聞いたところ、理解を示す声や経済への影響を懸念する声など、さまざまな意見が出ました。

市内に住む30代の会社員の女性は「今は外出自粛が必要な時期だと思います。ただ、繁華街の『ニシタチ』に行ってお酒を飲むのが好きなのでさみしいです。飲食店を経営している友人もいるので、店に行く以外で何か支援できることがないか考えています」と話していました。

市内に住む50代の自営業の男性は「経済がちょっとつらい状況になっていると感じるので、バランスのとれた政策が必要だと思います」と話していました。

都城市から仕事で訪れていた28歳の会社員の男性は「地元で感染が広がっているので外出自粛要請は必要だと思います。ただ、感染を押さえ込むためには期間が短すぎるのではないかと不安を感じます」と話していました。

「危機的な状況にある医療を守ろう」

宮崎県内で新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大する中、県内の自治体のトップや医療関係者などが共同メッセージを出し「自分は大丈夫だと思わず、危機的な状況にある医療を守ろう」などと呼びかけました。

メッセージは、河野知事のほか県市長会や医師会など、4つの団体のトップが県庁で記者会見して発表しました。
このなかで県看護協会の中武郁子会長は「ゴールが見えない状況で看護職員は身も心も疲弊している。皆さんが感染しないことが医療従事者への最大のエールになるので、感染対策を徹底してほしい」と訴えました。
また、県の町村会長を務める西米良村の黒木定蔵村長は「西米良村などは、まだ感染爆発の段階ではないが、県民が心を一つにして対策に取り組ないと感染者は減ってこない。一緒に頑張りましょう」と呼びかけました。