緊急事態宣言でも医療機関受診控えないで 厚労省呼びかけ

緊急事態宣言を1都3県に出して不要不急の外出の自粛などを求める中、医療機関の受診などを過度に控える動きや、献血に協力する人が減少することが懸念されます。厚生労働省は、乳幼児の予防接種やがん検診を予定どおり受けるよう呼びかけ、献血については各都道府県に対し献血会場の確保などを求める通知を出しました。

乳幼児の予防接種やがん検診「自分の判断で受診控えずに」

厚生労働省は、医療機関の受診などを過度に控えれば、逆に健康上のリスクを高めるおそれがあるとして、ホームページなどで注意を呼びかけています。

特に乳幼児の予防接種は、感染症にかかりやすい年齢などをもとに時期が決められているため、予定どおりに接種をしないと重い感染症になるリスクが高まるということです。

また、乳幼児健診も、子どもの健康状態を確認するだけでなく、子育ての悩みを専門家に相談できる貴重な機会になるため、定期的に受けてほしいと呼びかけています。

さらに「早期がん」などはほとんど自覚症状がないため、いち早く治療につなげるには、定期的な検診などが欠かせないとしています。

厚生労働省は「医療機関や健診会場では消毒や換気などの感染対策が徹底されている。コロナ禍であっても自分の判断で受診などを控えず、かかりつけの医師にも相談して、適切な医療を受けてほしい」としています。

献血に協力する人も減少のおそれ

埼玉県春日部市では8日、市役所に献血会場が設けられ、訪れた市民や市役所の職員が問診などを受けたあと、献血に協力していました。
埼玉県赤十字血液センターによりますと、1都3県では前回の緊急事態宣言が出されたころから外出の自粛やテレワークなどが求められたため、企業や大学への献血バスの配車などが相次いで中止され、12月までにおよそ2400件に上りました。
需要が最も多い400ミリリットルの献血について協力が安定して得られにくい状態が続いていて、2度目の緊急事態宣言が出されたことを受けて、埼玉県では新たに8件の献血バスの中止が決まったということです。
埼玉県赤十字血液センターの須永翼さんは「血液製剤は長期間保存することが難しく、日々多くの方々が輸血を必要としています。献血は不要不急の外出にはあたりませんので、継続的な協力をお願いします」と話しています。

厚生労働省は、緊急事態宣言の対象となった1都3県を含む各都道府県に対し、献血会場の確保などを求める通知を7日、出しました。
現時点で血液製剤の安定的な供給に支障は出ていないものの、緊急事態宣言を受けて、献血に協力する人が減少し、供給不足に陥るおそれがあるとしています。

特に血小板製剤は有効期限が採血から4日程度と短く、医療体制を維持するために継続して献血が行われるよう、都道府県に協力を求めています。

新型コロナ 妊婦の相談受け付ける窓口

都道府県などでは、新型コロナウイルスに不安を感じている妊婦の相談を受け付ける相談窓口を設置しています。

厚生労働省のホームページでも、その一覧を公表しています。

厚生労働省によりますと、妊娠中に感染しても、基礎疾患がなければ、同年代の女性と経過は変わらないものの、肥満や高血圧、糖尿病、高齢での妊娠については重症化のリスクになりうるという報告があります。

また、働く妊婦については、不安やストレスを感じやすいことから、厚生労働省はテレワークや休暇の取得について必要に応じて医師や勤務先と相談するよう呼びかけています。

また、里帰り出産ではなく、現在住んでいる地域で出産できないか検討することも呼びかけていて、医師と相談しながら帰省先の医療体制などを踏まえて判断してほしいとしています。

一方、すでに里帰り出産をした場合は、その地域で乳幼児検診を受けられるよう、市町村に対して柔軟な対応を求めています。

法務省 医療・福祉従事者や家庭内の人権問題 相談窓口

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、法務省は、医療や福祉に従事する人たちとその家族に対する偏見や差別、それに、虐待やDV=ドメスティック・バイオレンスといった家庭内での人権問題などが懸念されるとして、相談窓口の利用を呼びかけています。

▼人権問題全般を受け付ける「みんなの人権110番」
0570-003ー110

▼いじめや虐待などの「子どもの人権110番」
0120ー007-110

▼DVやセクシャルハラスメントなどの相談については「女性の人権ホットライン」
0570ー070-810

いずれも平日の午前8時半から午後5時15分まで受け付けていて、最寄りの法務局につながるということです。

このほか、東京法務局では通信アプリの「LINE」での相談も受け付けています。