各地の宿泊施設 相次ぐキャンセル 感染拡大や緊急事態宣言で

新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言を受けて、各地の宿泊施設では予約のキャンセルが相次ぎ、今後の客足を心配する声があがっています。

和歌山 白浜町では

美しい海沿いの景色やパンダのいる動物公園が人気の和歌山県白浜町には、冬場も関西や首都圏から多くの観光客が訪れます。

このうち、「白良荘グランドホテル」では、全国一斉に停止されている「Go Toトラベル」の再開を見込んで、宿泊客にパンダのぬいぐるみのプレゼントを用意するなどして、巻き返しを図ろうとしていました。

しかし、感染の急拡大で首都圏の1都3県に緊急事態宣言が出され、大阪、兵庫、京都の3府県も緊急事態宣言の発出を政府に要請することからキャンセルの連絡が相次ぎ、その件数は200件ほどになっているということです。
白良荘グランドホテルの福井信行総支配人は「緊急事態宣言やGo Toトラベルの停止継続で、旅行をしたいという人々の気持ちがなくなってしまうのではないかと不安だ」と話していました。

鹿児島市では

鹿児島市にあるホテルや宿泊施設でも予約のキャンセルが相次ぎ、休館せざるを得ない施設も出ています。

鹿児島市の繁華街、天文館にある創業110年を超える宿泊施設では、今月12日から2日間、福岡県の中学校の修学旅行生およそ200人を貸し切りで受け入れる予定となっていました。

しかし緊急事態宣言を前にした6日、旅行会社を通じて「修学旅行を延期することを決めた」という連絡が入ったということです。

このほかにも「修学旅行を延期する」という県外の中学校からの連絡が相次いでいるということです。

また個人客の予約のキャンセルも相次ぎ、宿泊施設では9日から少なくとも5日間、休館せざるをえなくなったということです。

営業再開の判断については、新型コロナウイルスの感染状況や政府の方針を確認しながら検討したいとしています。

宿泊施設の中原明男社長は「緊急事態宣言によって全国的に旅行しにくい状況になったので延期やキャンセルはしかたがないと思う。休館すると売り上げがゼロになり経営的には厳しいですが、しばらくは耐えたいと思います」と話していました。